早稲田ユナイテッドとリザプロが手を組みアスリート支援を強化

早稲田ユナイテッドとリザプロ、アスリート支援の新たな可能性

日本のスポーツ界において、高校生アスリートが抱える進路の不安は大きな課題とされています。このたび、サッカー選手の育成を手掛ける株式会社早稲田ユナイテッドと推薦入試対策のリザプロ株式会社が提携し、アスリート支援の新たな取り組みを開始しました。両社は、高校生たちが競技に専念しながらも、学業でも確かな成績を残し、難関大学への進学を実現できるようサポートする体制を整えています。

提携の目的と背景

本提携は、特に以下の二点を重視しています。第一に、高校生アスリートが競技に打ち込みつつも学業と両立を図り、大学進学を果たすための環境を構築すること。第二に、引退後のキャリア形成に向けた支援を行い、アスリートが競技を終えた後も社会で活躍し続けられるような仕組みを整えることです。

プロサッカー選手として成功するのは難しく、多くの選手が引退後に苦境に立たされる現状があります。2023年度のデータによれば、全国のサッカー登録選手は約83万人に達しますが、Jリーグや海外で活躍する日本人選手はわずか1600人程度。この数字からもわかるように、プロの世界で生き残るチャンスは極めて限られているのです。また、プロ選手になったとしても多くは短期間で引退を余儀なくされ、高額な報酬を得る機会も少ないのが現状です。

競技と学業の両立

高校生サッカー選手が競技に集中するあまり、勉強に手が回らないケースが多く見受けられます。推薦入試など特別な制度を除けば、学業成績は進路選択に大きく影響を及ぼします。サッカーに多くの時間を費やす学生ほど、引退後の進路に制約がかかりがちです。このような現状を改善し、アスリート自身が納得できる進路選択を可能にするために、早稲田ユナイテッドとリザプロの連携が重要です。

具体的には、リザプロが提供する推薦入試対策プログラムを通じて、高校生アスリートは必要な学業成績やスキルを身につけることができます。これにより、進学先の選択肢が広がり、自身の努力に見合った将来を描けるようになります。さらに、オンラインで受講可能なこのプログラムは、時間に追われるアスリートの負担を軽減する設計になっています。

今後の展望

両社はこのモデルを東京だけでなく、全国のアスリートたちにも広げる計画です。他地域のクラブや教育機関とも協力し、全国レベルでの支援体制を拡充していく意向です。さらに、単なる進学支援にとどまらず、アスリートが引退後も社会で活躍できるよう、大学進学後のサポートやキャリア形成を視野に入れた包括的な取り組みを強化する方針を打ち出しています。

学びだけでなく未来も支える

リザプロの代表取締役である孫辰洋氏は、この提携を通じて、高校生アスリートが抱える進路の不安を解消することが私たちの使命だと強調します。勉強もおろそかにせず、競技と学業の両面で努力できる環境を提供し、スポーツを通じて培った集中力を学業に活かせるよう支援していくと述べました。また、早稲田ユナイテッドの代表取締役、岩崎勇一郎氏も、競技と学業を両立させることで、社会に貢献できる真の学生アスリートを育成すると語っています。

この取り組みは、高校生アスリートが将来の選択肢を広げると同時に、スポーツ界全体の未来にも明るい影を落とすことでしょう。今後の進展に期待が高まります。