ジェイテクトが中国で半導体製造用ベアリングの生産をスタート
株式会社ジェイテクトは、半導体産業の成長が期待される中、ドライポンプ向けベアリングの中国生産に乗り出しました。これは、同社が産業機械や軸受事業で培った技術と経験を活かして、現地のドライポンプメーカーに対し、より高効率な供給体制を整えるという戦略の一環です。
現地生産がもたらすメリット
中国国内での生産開始により、納品の迅速化や輸送コストの削減が期待されています。これにより、顧客への価格競争力が向上し、半導体産業の成長に寄与することが目指されています。特に、半導体製造工程においては、高い精度と性能が求められるため、この現地生産が特に重要です。
ジェイテクトグループは「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」というミッションのもと、2030年までに「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を目指しています。このビジョンの具体化に向けた取り組みとして、半導体産業を重要な市場と位置付け、既存製品の拡充と新製品の開発を進めています。
ベアリングの重要な役割
半導体製造では、様々な工程でドライポンプが必要です。露光、エッチング、薄膜形成、電極形成などのプロセスにおいて、ドライポンプが真空環境を維持するために使用され、その中でベアリングの性能は非常に重要です。一台のドライポンプには、おおよそ4つのベアリングが使われるため、その数は数千台に及ぶことになります。
ジェイテクトの新製品は、半導体製造の高要求に応えるため、低騒音・低振動性能を追求し、セラミックボールを用いることで潤滑環境における信頼性を高めています。これにより、真空下でも長時間の運用が可能となります。
今後の展望
今年2026年1月からは、中国の現地法人である捷太格特軸承(無錫)有限公司での生産を開始する予定です。これにより、現地のドライポンプメーカーへの迅速な供給を実現し、顧客のニーズに応える体制が整います。
ジェイテクトは、グローバルな製造・供給ネットワークを強化し続け、より高品質で信頼性の高いベアリングを提供していくと共に、真空技術の分野での発展にも寄与していく意向です。自動車、建設機械、鉄鋼、工作機械など、社会の基盤を支えるさまざまな産業において、ソリューションプロバイダーとしての役割を果たしていくことでしょう。
世界中の顧客に優れたソリューションを届けるため、ジェイテクトは今後も技術開発に力を入れ、成長していく姿勢を示しています。さらに、半導体産業におけるイベントにも積極的に参加し、最新の技術や製品を紹介していく計画です。