ミズノの革新:CFRP板バネフットギア「MOBILARIA β」
ミズノが東京都江東区の「東京ビッグサイト」にて開催される「Japan Mobility Show 2025」へ、画期的なフットギア「MOBILARIA β」を出展します。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を素材にしたこの新モデルは、従来の履物に新たな価値を付加し、移動の楽しさを引き出すことを目指します。
ミズノのモビリティの考え方
ミズノのグローバル研究開発部は、履物を「モビリティ」と位置づけ、自身の身体を使って楽に移動するための技術に注力しています。人が快適に移動できる手段を模索する中で、CFRP板バネフットギア「MOBILARIA β」は、ギアと脚を一体化させ、下肢の運動メカニズムを変革します。これにより、より効率的に走行を実現することを目指しています。
「MOBILARIA β」の構造と特徴
「MOBILARIA β」は、競技用義足の研究開発から導入されたカーボン技術を駆使しています。ブレード部は地面に接触した際にたわむことで、バネ特性を活かし、下肢にかかる力を効率よく発揮します。アッパー部分には陸上スパイクに着想を得た構造が採用されており、靴ひもを調整することでかかとをしっかりとホールドします。これにより、脚との一体感が生まれ、板バネの性能を十分に発揮できるのです。
また、「MOBILARIA β」のデザインは、カーデザイナーの山本卓身氏とのコラボレーションによって誕生しました。彼は「履物はモビリティの原点」とし、このコンセプトのもとに共に新しい価値を創造することに注力しました。
先進的な開発施設「MIZUNO ENGINE」
ミズノは「MOBILARIA β」の開発にあたって、イノベーションを加速させるための特別な拠点、「MIZUNO ENGINE」を設立しました。この施設では、「はかる」「つくる」「ためす」という研究開発のプロセスを高速で回転させることが可能です。具体的には、CFRP板バネの製作に通常は28日かかる型作成を、3Dプリンターを用いることでわずか2日間で実現。さらに、試作開発費用も約8分の1に抑えることができました。
このような革新的な手法により、ミズノは新しいプロダクトの開発を迅速に進め、デジタル技術を活用して人間の可能性を拡大することを目指しています。
人間拡張技術への挑戦
ミズノではテクノロジーを活用した「人間拡張」技術にも焦点を当てています。人間の身体的特徴は長い間変わらない一方で、テクノロジーの進化によって私たちの能力を増強することが可能になる時代が到来しました。ミズノは、パフォーマンス向上を通じて、健常者だけでなく、シニアや障がい者、妊婦、子どもなど、全ての人が自らの身体を自在に操れる未来を描いています。
「MOBILARIA β」は、そのデザインと技術の融合を通じて、誰もが「やりたいことをやろう」と思える豊かな社会の実現を目指しているのです。
まとめ
ミズノの「MOBILARIA β」は、新たなモビリティの概念を提起し、未来の移動様式を変えるポテンシャルを秘めています。これからの私たちの移動がどう変わっていくのか、非常に楽しみです。興味のある方は、ぜひ「Japan Mobility Show 2025」でその目撃者となってください。