新たなものづくりの拠点設立！矢崎総業が電動車部品に対応する新工場を設立

矢崎総業株式会社は、近年、日本国内での積極的な設備投資を進めており、その一環として静岡県掛川市に新工場の設立を発表しました。この新たな拠点は、2026年の稼働開始を目指しており、電動車部品の生産能力を大幅に向上させることが期待されています。特に、電動車の普及に伴い、自動車部品の電動化が急務となる中、当社は持続可能なものづくりを再定義し、多様なニーズに応える体制を整えています。

新工場設立の背景

電動車の急速な普及により、それに対応する高圧部品の需要が高まっています。これらの部品は、電流に耐えつつ熱を抑える必要があり、従来の低圧部品よりもサイズが大きくなる傾向があります。こうしたニーズを受けて、矢崎総業は2023年から新たな土地の取得を検討してきました。ジヤトコ掛川工場跡地の選定は、その位置的優位性、幹線道路や高速道路へのアクセスの良さが大きな要因となっています。

原点回帰の理由

1. 電動化対応とものづくり力の強化

電動車の普及速度やその規模は依然不透明ですが、矢崎総業は迅速に変化に対応しなければ競争力を失うリスクがあると認識しています。蓄電池やモーター、バッテリー周辺機器など、電動化に関連する多様な製品を取り扱う同社は、国内外のバッテリーメーカーと協力しながら技術力を高め、顧客の海外展開に対応できる体制を整えています。

2. リスク分散に向けた土台づくり

海外事業には関税や自然災害、地政学的リスクといったさまざまな不確実性が伴います。このため、地域ごとに独立した生産体制を築くことが重要です。日本国内で本社機能や開発拠点を集約し、生産基盤を整えることは、今後のニーズに迅速に応えるための合理的な選択といえます。

今後の見通し

新工場において生産される高圧部品の売上は、今後5年間で現在の約3倍に拡大する計画を立てています。同様に、掛川ティーライフでのCCS（Cell Contacting System）の生産も、2.4倍の売上を見込んでいます。また、2028年には新工場に開発機能も移転し、製造と開発の密接な連携を図る計画です。