一穂ミチの新作長編『アフター・ユー』の魅力
大阪出身の作家、一穂ミチさんの待望の新作長編小説『アフター・ユー』が、2025年11月21日に文藝春秋から発売されます。本作は、少女たちの出会いから25年間にわたる愛と運命を描いた作品で、過去の名作『光のとこにいてね』から3年ぶりの長編としてのリリースとなります。著者自身の幅広い作品の中でも、特に注目されるべき一冊です。
成長と喪失の物語
一穂ミチさんは、直木賞を受賞した『ツミデミック』や、昨年刊行の『恋とか愛とかやさしさなら』など、数々の話題作を手がけてきました。『アフター・ユー』では、暗い秘密と寂しさを抱える恋人たちの物語が展開されるということで、今からその内容に期待が高まります。
本作のあらすじは、タクシー運転手の青吾が、帰宅しているはずの恋人・多実が行方不明になり、その後多実が海難事故に遭ったとの知らせを受けるところから始まります。この事件をきっかけに、青吾は多実との関係を見つめ直すことになります。果たして彼の恋愛は何を意味し、どのように変わるのか。
新たな探求の舞台
青吾は、向かった先の遠鹿島で多実の不在の理由を探る中で、過去に隠された真実と向き合うことになります。そして、その旅を共にするのは多実の不貞を疑う沙都子という女性。この二人の出会いが、過去を知る鍵となるのです。
『アフター・ユー』には、恋愛だけでなく、家族の絆や友情といったテーマも織り交ぜられていると言われており、読者には心の奥深くまで響く物語が待っています。一穂ミチさん自身が、本作について「愛の形はさまざまだが、喪失と再生を描くことが重要だと感じた」と語っており、彼女の新たな挑戦が垣間見えます。
著者、一穂ミチの歩み
一穂ミチさんは、2007年にデビューし以来、多数の受賞歴を有する才能ある作家です。22年には『スモールワールズ』で吉川英治文学新人賞を受賞、24年には『光のとこにいてね』で島清恋愛文学賞、さらには直木賞を受賞するなど、その実力は折り紙付きです。他にも、『イエスかノーか半分か』シリーズや『恋とか愛とかやさしさなら』など、多彩な作品を世に送り出されています。
書誌情報
- - 書名:『アフター・ユー』
- - 著者:一穂ミチ
- - 定価:1980円(税込)
- - 出版社:株式会社文藝春秋
- - 判型:四六判上製カバー装352頁
- - 発売日:2025年11月21日
- - ISBN:978-4-16-392042-9
- - 書誌URL:こちらをクリック
一穂ミチさんの新たな長編がどのような愛の物語を描くのか、期待が高まる一冊。ぜひ手に取って、その魅力を体感してください。