小野測器が新たに発表した革新的な振動計VW-3100
2025年5月21日、株式会社小野測器が新製品「ポータブル振動計 VW-3100」を発表しました。この画期的な商品は、設備の保守点検や製品検査の現場で必要とされる「聴く」「測る」「判断する」作業を一つのデバイスで行えるようデザインされています。製品の販売は2025年8月を予定しています。
設備メンテナンスの必要性
今日のプラントや製造業界では、設備の老朽化が進行している一方、新しい設備の設置には高いハードルがあるため、既存設備を可能な限り長期間安全に運用するためのメンテナンス体制がますます重要になっています。回転機械の状態監視には振動計測が長らく活用されてきましたが、現場では依然として聴診棒が主流です。作業者の経験と感覚に頼った診断が重要視される中、属人的なばらつきやノウハウの継承ができないことが課題として存在しています。
先進的な情報処理技術
VW-3100は、小野測器独自の信号処理技術を集約しています。これにより、異常成分を抽出し数値化することで、異常兆候の検出の確度が向上します。経験則に依存した診断から、データに基づく信頼性の高いものへと移行できるため、設計および保全部門での判断の確度を高め、ノウハウの伝承をサポートするツールとして活用できます。
ポータブル振動計VW-3100の特徴
この新製品には、以下のような特筆すべき機能があります。
1.
V3バンドによる同時計測: VW-3100は、3つの振動値を同時に計測・表示できる「V3バンド」機能を搭載しています。この機能によって、異常を正確に把握することができ、作業効率が向上します。
2.
聴音機能: 可変バンドパスフィルターを活用し、異音を捉える聴音機能を備えています。作業者間での情報共有や技術の伝承にも貢献します。
3.
収録と後解析機能: 点検作業と同時にデータ収録が可能で、分析ツールでの精密診断に繋がります。収録したデータを基に、異常の鑑定がしやすくなります。
4.
多様なオプション: 現場計測や評価をサポートする豊富なオプションも用意されています。各業界のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。
対象市場と用途
VW-3100の主なターゲット市場は、各種業界の製造現場に存在する回転機器の設備診断です。特に自動車や家電業界のモーターやコンプレッサー等において、効率的な生産・検査を支援します。特に、製造ラインでの良否判定において、その性能を発揮することでしょう。
小野測器の背景
小野測器は1954年に設立され、長年にわたり電子計測機器の製造や販売を行っています。自動車産業を中心に、様々な分野での研究開発をサポートし、業界において確固たる地位を築いてきました。特に近年では、カーボンニュートラル社会実現を目指し、新たなビジネス領域にも挑戦しています。
まとめ
小野測器のポータブル振動計 VW-3100は、先進的な技術を活用し、設備診断の精度と効率を向上させる注目の製品です。現場で求められる高い精度と信頼性を提供し、作業者が持つ技術を次世代にしっかりと継承する手助けとなることでしょう。