KERAが演劇界での地位を確立!読売演劇大賞受賞の背景とは
劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ、通称KERAがついに第32回読売演劇大賞において、優秀演出家賞を受賞しました。彼の代表作『桜の園』の演出によって、この名誉ある賞を受けたことは、演劇界における彼の影響力の証明です。
演出家としてのKERAの経歴
KERAは2001年、演出作品『室温〜夜の音楽〜』で優秀演出家賞を受賞以来、彼の演劇のスタイルは時を経て確実に変化し続けています。彼は過去24年間にわたり、読売演劇大賞において数々の賞を受賞し、「常連」と称されるほどの存在感を放っています。これまでの受賞歴を振り返ると、彼の作品は常に革新性と深い人間理解に満ちており、観客を魅了する要素を持っています。
チェーホフの戯曲との出会い
KERAはシス・カンパニーが展開したチェーホフ4大戯曲上演シリーズ「KERA meets CHEKHOV」に参加し、チェーホフの劇作を手がけることとなりました。これまでに上演された『かもめ』(2013年)、『三人姉妹』(2015年)、『ワーニャ伯父さん』(2017年)、そして2020年に上演予定だった『桜の園』の4作は、チェーホフの作品への尊重を持ちつつも、KERA独自の解釈を加え、観客を引き込む魅力を創出してきました。
コロナ禍での苦境と再起の舞台
『桜の園』は、当初2020年4月に上演される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で初日を目前にして全公演が中止となり、幻の公演となりました。その後、4年の時を経て、再びこの作品が舞台に戻ってきました。そして2024年にようやく幕が上がったのです。
演出の特長と評価
演出家としてのKERAのスタイルは、チェーホフの戯曲の骨組みを大きく変えないまま、言語やリズムを整理し上演台本を作成することにあります。特に『桜の園』では、「笑いのくすぐり」を巧みに取り入れながらも、深い物語性で観客を引き込むことに成功しました。この演出に対し、読売演劇大賞の審査委員からは高評価を受け、特に「KERAならではの視点が生きていた」と称賛されています。
受賞者とその影響
また、『桜の園』の中でロパーヒン役を演じた荒川良々は優秀男優賞を受賞し、KERAの演出による公演から2名が受賞したことは、その作品の質の高さを裏付ける結果となりました。
今後の展望
KERAの次なる舞台は、ケムリ研究室の『ベイジルタウンの女神』です。この作品は中止になった2020年の『桜の園』の直後に上演されたもので、その際はコロナ対策により観客数が制限されていました。今回の再演が多くの観客に喜ばれることは間違いありません。
今後もKERAの活動から目が離せません。彼の今後の作品情報は
こちらでチェックできます。また、ケムリ研究室の上演情報は
こちらで確認できます。彼の新たな挑戦に期待が高まります。