2025年3月8日、渋谷のLIVE STUDIO LODGEで行われたNagie Laneのワンマンライブ『654643』は、超満員の観客を魅了する圧巻のパフォーマンスとなった。新体制としての初の公演ということもあり、メンバーにとって特別な意味を持つ一日だった。
Nagie Laneは、2024年8月から男女3人のコーラスグループとして新しいスタートを切った。今回のライブタイトル『654643』は、彼らのメンバー編成の変遷を表しており、アイデンティティを保ちながらも変化を続けてきたその歴史を象徴している。約2年ぶりのこの単独公演には、多様なファンが集結し、会場は熱気で満ち溢れていた。
ライティングが整い、観客からの温かな拍手が響く中、Nagie Laneのメンバーがステージに姿を現し、一瞬で会場の雰囲気を引き込んだ。アイコンタクトを交わし、心地よいブレスをとった後、最初の曲『654643 A Cappella』へスムーズに移行。彼らの真骨頂とも言えるこのアカペラパフォーマンスは、美しいハーモニーを存分に堪能する瞬間だった。観客は息をのむように、メンバーの奏でる声に惹き込まれていた。
続く曲は、トラックに乗せた『イケナイフタリ』。一気に舞台の雰囲気は華やかに変わり、mayuのキラキラとしたボーカルが場を盛り上げ、mikakoとbarattiはそれぞれのスタイルで楽曲を色づけしていく。客席では自然と観客が揺れ、手拍子が生まれる中、Nagie Laneの生み出す音楽の豊かな波が会場全体に広がった。
オリジナルの「東京は夜の七時」においては、新たなロマンスの香りが漂い、続く『Wink and Thumbs Up』では観客全体がハンドサインを掲げ、ひとつの大きなハッピー空間が形成された。Nagie Laneのパフォーマンスは、ただの視覚的な楽しさにとどまらず、観客を積極的にその音楽の世界に巻き込んでいく。音楽を楽しむというその姿勢が、演者自身の楽しさに表れているのだ。
続いて披露された『Is This Magic?』や『sunset summer cruisin』、さらには『SPOON』と、彼らのレパートリーは多彩で、観客を飽きさせる余地がなかった。メンバーの安心感あるチームワークはしっかりと形成され、どんなビートの変化にも対応できる余裕がそこに感じられた。Nagie Laneのハーモニーは、抑揚とピッチが自由自在で、完璧なチームワークを一瞬で魅せてくれた。
中盤はバラードに切り替わり、mikakoの「ゆっくり手を離して」に続いて、mayuの心に寄り添うような語りかけが印象的な『あのね、』が響く。会場はひととき静寂に包まれ、観客の中には思わず涙する姿も見受けられた。これこそがNagie Laneの強さ。心の琴線に触れる歌の力が、観客ひとりひとりに深く根付いているのだ。
その後、メンバーのMCによって場が和むと、お互いの意外な一面を共有し、親近感を醸し出す。barattiが「サウナって最高だよね」と言った瞬間、観客の笑いを誘って新曲『SAUNA』へと展開する。そのHIPHOPテイストのチルナンバーは、観客を巻き込み、楽しいコール&レスポンスを交えて盛り上がる。
そしてライブは終盤を迎え、メンバーの情熱はますます高まりを見せる。『mirage』のムードから『Kiss me dry ~ Finesse』、また『ふらぺちる』と、色彩豊かな楽曲が続き、会場の熱気は最高潮に達した。締めくくりには『kiss me in the neon light』で、会場は一体感に包まれた。
アンコールでは再びステージに現れたNagie Lane。新たな楽曲『金曜日は恋に落ちる日』で、最後まで観客を引きつけ、明るい未来へとつながる一夜を締めくくった。その感動のステージは、会場にいた多くの人々にとって忘れられない瞬間となったことだろう。新体制のNagie Lane、彼らのこれからの活動にも期待が高まる。