agehasprings「Open Lab. vol.5」の開催
2026年3月20日、東京都渋谷区に拠点を置く音楽クリエイティブカンパニーagehaspringsが、「Open Lab. vol.5」を専門学校ESPエンタテインメント東京で開催しました。このシリーズは、音楽プロデュースの知見を参加者と共有することを目的としたワークショップイベントであり、今回で5回目を迎えました。
制作の背後にある思考を探る
このイベントでは、agehaspringsのCEOであり音楽プロデューサーである玉井健二氏が登壇し、普段はブラックボックスとなっている音楽制作の舞台裏を公開する貴重な機会が提供されました。玉井氏は冒頭で、音楽制作の現場での思考プロセスを共有することにより、参加者に新たな視点をもたらすことを目的にしていると強調しました。その視点が音楽だけでなく、人生全般に影響を与える可能性があることを語りました。
ソングライティングの設計
今回のテーマは「ソングライティング(作詞・作曲)」であり、3人の若手クリエイターを招いた「公開ダイレクション」が行われました。このセッションでは、楽曲制作における意思決定のフレームが3つの異なるアプローチから示されました。
1. 楽曲価値の拡張
最初のダイレクションでは、楽曲そのものの完成度よりも、どのような文脈で機能するのかという観点から再設計が行われました。コード進行や曲の構成を調整することで、同じ楽曲が異なるリスナー層や使用シーンでの価値が変わることが実演され、楽曲が単体のものではなく、接続先によって変化する「可変的なコンテンツ」であるということが示されました。
2. リスナー参加の重視
次のダイレクションでは、楽曲のサビの役割が「リスナーと共有される領域」として定義され、その設計思想が解説されました。具体的には、メロディやリズムの調整によって、サビの機能を強化できることが示され、楽曲の拡散性や共有性に直結する要素である「覚えやすさ」や「口ずさみやすさ」が重要であることが強調されました。
3. 感情体験の設計
最後のダイレクションでは、歌詞での結論提示のタイミングが焦点となり、結論に至るプロセスを設計することで、リスナーの感情の滞在時間を延長し、共感の強度を高める方法が提示されました。「状態」「揺らぎ」「葛藤」といった段階を経ることが、楽曲体験の深度を規定する要因であることが確認されました。
これらの実演を通じて、ソングライティングは音楽的要素の最適化を超え、リスナー体験全体を設計する行為であることが示され、参加者は「ヒットの予感」を纏う楽曲に変貌する過程を体験しました。この充実したセッションに、参加者たちは心を動かされ、深い感銘を受けた時間となりました。
質疑応答セッション
その後の質疑応答では、インディペンデントで活動するクリエイターに求められる制作姿勢について議論が行われました。玉井氏は、すべての音楽要素に対して「なぜその選択をするのか」を説明できることが重要であると指摘しました。インディペンデントにおいては、アウトプットの精度を高め、その意思決定の解像度を上げることで、楽曲の完成度や市場適合性を向上させられることが強調されました。
ワークショップの意義
玉井氏は、音楽制作の現場と参加者の日常をつなぎ、間にある「距離」や「ギャップ」を可視化することが本ワークショップの意義であると説明しました。制作プロセスを共有することで、参加者が新たな視点を得て、音楽との向き合い方に変化をもたらす可能性について言及しました。さらに、こうした「距離」や「ギャップ」に気づくことで、新たなサービスやコンテンツの創出に繋がるとも述べました。今後も、このような取り組みを通じて音楽制作への理解が深まることが期待されています。
イベント概要
- - 名称: agehasprings Open Lab. vol.5
- - 日時: 2026年3月20日(金・祝)
- - 会場: 専門学校ESPエンタテインメント東京
- - 出演: 玉井健二(音楽プロデューサー/agehasprings CEO)
- - ゲストクリエイター: 諸喜田明梨、つむぎ、加藤壮太郎
- - 内容: 公開ソングライティング・ワークショップ
- - 主催: 株式会社aspr(agehasprings Holdings group)
公式サイトやSNSでの詳細な情報もぜひご覧ください。音楽制作の未来を切り拓くagehaspringsの取り組みに、今後も注目が集まります。