音楽ストリーミングの新たな基準を示すQobuzの取り組み
フランスに本拠を置く高品質音楽ストリーミングサービス「Qobuz」が、このたび音楽業界で初となる平均ロイヤルティ率の公表を行いました。この発表は、アーティストに対する公正な報酬を推進するための透明性を高める重要な取り組みとして注目を集めています。これにより、Qobuzは自身のブランドを強化し、音楽業界における影響力を一層高めていくことでしょう。
2013年度の平均ロイヤルティ率
具体的には、Qobuzは2023年度において、1ストリーミングあたり平均0.01802ユーロ(約2.90円)のロイヤルティをアーティストや音楽出版社に再分配しています。たとえば、一つの楽曲がQobuzで1,000回再生された場合、権利保有者には18.02ユーロ(約2,898円)が支払われ、その後、アーティストや作曲家、作詞家に対しても公正な報酬が行われる仕組みです。この透明性の向上により、Qobuzのユーザーは、自分が支払った料金がどのようにアーティストに還元されるのかを知ることができ、安心してサービスを利用できるようになります。
ユーザーあたりの平均収益(ARPU)の向上
Qobuzは、ユーザーあたりの年間平均収益(ARPU)が117.60ユーロ(約18,910円)であることを明らかにしました。これは業界の市場平均である21.73ユーロ(約3,494円)の約5倍の収益を生み出しており、アーティストへの高水準な報酬実現を可能にしています。Qobuzは、こうした高収益を基に、アーティストにより充実した利益をもたらすことを目指しています。
Qobuzのアプローチ:アーティストへの利益
Qobuzの特徴は、アーティストに利益をもたらすための以下の4つの主要なアプローチにあります:
1.
広告サポート無料プランなし: Qobuzは有料サービスのみを提供し、音楽制作に携わるすべての人々に対し、より高いロイヤルティを保証しています。
2.
高音質のストリーミングサービス: CDロスレスやハイレゾ音質を提供し、加えてQobuz独自の編集コンテンツも掲載。これにより、よりプレミアムな体験が実現します。
3.
高音質ダウンロードストア: ストリーミング契約に関わらず、ハイレゾやCD音質のアルバムを購入することが可能で、権利保有者に対してより高いロイヤルティを提供します。このモデルにより、特に多様な音楽を支えることができます。
4.
多様なアーティストと音楽ジャンルの支援: ジャズやクラシックなどのアーティストにもスポットライトを当て、幅広いジャンルの音楽が生き残るための道を提供しています。
業界の透明性を強化する意義
Qobuzの副CEO、ジョルジュ・フォルネ氏は、「我々のロイヤルティ率について高評価を受けているが、これまで明確に公表してこなかった」とし、透明性の向上が重要な取り組みであることを強調しています。ユーザーがこのサービスを利用することによって、アーティストに公正な報酬を与え、音楽の多様性が守られる仕組みは、今後の音楽ストリーミング業界において重要な意味を持つことでしょう。
まとめ
Qobuzは音楽ストリーミングの未来を開く存在として、透明性と公正なロイヤルティ率の確保を進めています。これにより、アーティストに優しいビジネスモデルを実現し、ユーザーにとっても魅力的な音楽体験を提供しています。今後もQobuzの動向に注目し、その進化を見守っていきたいと思います。