大阪の姉妹が挑む変面の世界
大阪・堺市に住む姉妹、植並真鈴さん(14歳)と夏鈴さん(11歳)は、国内最年少のプロ「変面師」として知られています。一見普通の仲良し姉妹に見えますが、彼女たちは古代中国の伝統芸能である「変面」に情熱を注いでいるのです。
変面とは何か
「変面」は約400年前に中国四川省で生まれた「川劇(せんげき)」に由来する演芸で、独特の技術により、瞬時に数種類のお面を変えることが特徴です。その技の秘密は非常に緻密で、門外不出の技術とされ、中国政府もその運用を国家機密として保護しています。日本で活動している「変面師」は約50人ほどであり、これほどの希少性から彼女たちの挑戦は特に光ります。
姉妹の出会いと修行の道
真鈴さんが初めて「変面」のショーを見たのは7歳の時。お面が一瞬で変わるその技に魅了され、プロの変面師の元で修行を始めました。5年間の厳しい練習を経て、3年前には妹の夏鈴さんも仲間に加わり、「マカリン」というユニットを結成し、プロデビューを果たしました。
技術の向上と新たな挑戦
姉妹はパフォーマンスを多様化するため、カンフーやマジックなどの要素も取り入れ、練習は平日も週末も休まず行っています。その努力が実り、昨年の大阪府内の大会で見事に優勝を果たすほどの実力を身につけました。
目指すは関西パフォーマンス大会
彼女たちが今目指しているのは、「関西パフォーマンス大会」での入賞です。この大会は全国から多くのプロパフォーマーが集まる大規模なイベントで、姉妹は高難度の「酔拳変面」を披露することを決意しました。
大会前日、練習は順調に見えましたが、最後の見せ場での目隠しパフォーマンスには苦戦します。姉妹は自宅に帰ってからも練習を続け、迎えた本番の日。母親が見守る中、真鈴さんと夏鈴さんは大きな緊張を抱えながら出番を迎えました。果たして、無事に成功を収め、入賞を果たせるのでしょうか。
新たなステージへの挑戦
そして2カ月後、姉妹は「大阪春節祭」への出演を目指すことを明かします。この舞台は多くの中国人が訪れるため、内容はもちろん、舞台監督による厳しい審査に通過しなければならず、さらなる演技力の向上が求められます。姉妹は中国語の勉強にも取り組んでおり、パフォーマンスの向上に向けて精進しています。
彼女たちの挑戦は続きます。果たして、変面の本場である中国の人々の前に立つことはできるのでしょうか。そして、彼女たちの情熱と努力がどのように実を結ぶのか、今から楽しみです。
この姉妹の物語は、2024年2月22日午前11時からテレビ大阪で放送される「ドキュメンタリー7」で見ることができます。過去の放送はYouTubeチャンネルでも配信中です。興味のある方はぜひ観てみてください。