ヒカルド・バセラールの新ライブ映像がストリーミングで配信開始
2023年5月30日、ブラジル・セアラ州フォルタレーザ市のサンルイス劇場で行われたヒカルド・バセラールのライブ映像『Ricardo Bacelar ao vivo no Cineteatro São Luiz』が、人気のストリーミングプラットフォームで配信を開始しました。これは、バセラールにとって3作品目のライブ映像となるもので、彼が手掛けた多様な楽曲を楽しむことができます。
バセラールはこれまでに、2015年にリリースされた『Concerto para Moviola』や、2020年の『Ricardo Bacelar ao Vivo no Rio』といったライブアルバムを発表しており、今回の映像はその集大成と言えるでしょう。配信プラットフォームは、Spotify、Apple Music、Tidal、Deezer、Amazon Music、SoundCloudなど、広範囲に渡ります。また、日本国内の一部店舗ではCDフォーマットとしても購入可能です。詳しくは
こちらをご覧ください。
幅広い楽曲と表現
このライブでは、バセラールが六重奏グループと共演し、近年の自身のアルバムに収録された楽曲も含まれています。「今回のライブではブラジル音楽の魅力に触れるだけでなく、私がこれまで作曲した曲やたどってきた道のりをお見せできました」とバセラール。
特に注目を集めるのが、かつて所属した人気グループ・ハノイ・ハノイの代表曲「トタウメンチ・ヂマイス(Totalmente Demais)」です。この曲は、カエターノ・ヴェローゾの歌声で多くの人に親しまれていますが、バセラールにとってはソロでの初めてのアレンジとなります。「ハノイ・ハノイのメンバーとの共演は多かったので、この曲には特別な思いがあります」。彼の語るその背景には、長年のパフォーマンス経験が影響しているのが感じられます。
さらに、バセラールと作詞家のベルキオールがコラボレーションした「ヴィッシオ・エレガンチ(Vício Elegante)」もこのアルバムのハイライトの一つ。「彼の特徴的なメランコリックなリズムに、現代的なアレンジが加わっています」とバセラールは語ります。シコ・ブアルケやカエターノ・ヴェローゾなどの名曲も、独自の解釈で演奏され、新たな息吹を感じられる内容となっています。
多才なアーティスト
バセラールは、ヴォーカルだけでなく、キーボード、ギター、打楽器など、多彩な楽器を演奏するマルチプレーヤーです。「ピアノが専門ですが、他の楽器も演奏するようになりました。クリエイティブな貢献ができることが大切です」と彼は語ります。このスタイルは、今後のアルバム制作にも反映されることでしょう。
彼はまた、自身のレーベルであるジャスミン・ミュージックの代表でもあり、質の高いブラジル音楽アルバムの制作に携わっています。「ブラジルは文化的に多様で、豊かな音楽の宝庫です。その核心を成す存在である音楽を大切にしていきたい」と語るその姿勢が、今後の活動にも期待を持たせます。
コンテンツはDolby Atmosでミックスされ、12のミュージックビデオを含むビデオアルバムとしてリリースされます。ライブの撮影には10台のカメラが使用されており、舞台の臨場感をリアルに伝える工夫がされています。バセラールは「舞台の熱気とパフォーマーたちの親密さを視覚的に伝えたい」と語っています。
今後の展望
新アルバムは、ブラジル、日本、アメリカ、ポルトガルでリリースされる予定です。また、2024年にはアメリカのジャズ専門ラジオで注目を浴び、選ばれたアルバムの中に名を連ねるなど、今後の活躍に期待が寄せられています。「音楽には国境はない。このつながりを強化していきたい」との意気込みで、7月には北京でのコンサートや新アルバムのレコーディングも予定されています。また、ハノイ・ハノイのファンに向けて、30周年を祝うイベントの開催も計画されています。
この新しいライブ映像は、ブラジル音楽の多様性とバセラールの卓越した才能を再確認できる貴重な作品です。ぜひご覧ください。