輸血経験者が伝える献血の重大な使命
神奈川県赤十字血液センターが公開した動画『LIFE GOES ON #5 献血がくれた「たからもの」』は、輸血経験のあるミユキさんとその家族の実話を基にしています。この動画は、献血がどれほどの命を救うことができるのか、その重要性を訴えるために制作されました。
ミユキさんは、日常生活を楽しむ元気な社会人でした。ところが、一見何の前触れもなく突然、彼女の健康が脅かされました。普段通りの帰路、バス停からの道のりで体に異変が生じ、緊急に医療機関へ運ばれることに。医師から告げられたのは「命の危険がある重篤な病」にかかっているとのことでした。その時、ミユキさんには即座に約48人分の血液が必要とされ、そのおかげで彼女は助かることができたのです。
この動画では、闘病を経てミユキさんが見つけた「たからもの」が描かれています。彼女の人生における大きな転機ともいえるこの経験を通じて、彼女の優しさや感謝の気持ちが伝わるような映像が制作されています。ミユキさんは今、家の庭でひまわりを育てながら幸せな瞬間を感じています。
献血と輸血の景況
日本国内では、日々献血が必要されています。医療機関で必要とされる血液製剤の供給量は過去最高に達しており、特に赤血球製剤の供給はこの14年間で13%も増加しました。2024年度も更なる増加が見込まれていますが、それに対する献血者の数は十分ではないのが現状です。
献血者の確保に苦しむ中、若い世代からの献血者が減少し続けています。10代から30代の献血協力者は過去10年間で33%も減少しており、今後の献血状況に懸念を抱かせています。この減少は、少子高齢化の影響が大きいとされています。
輸血を受ける患者の約85%が50歳以上であるのに対して、献血者の60%以上は50歳未満です。この不均衡は将来の血液供給に影響を及ぼす恐れがあるため、特に若い世代の献血協力が重要視されています。
献血の未来をともに考える
動画『LIFE GOES ON #5』は、輸血が命をつなぐ一方で、献血の実際がどのようなものであるかを感じてもらうための試みです。メディアを通じて、その重要性を広め、より多くの人々に献血の大切さを知ってもらいたいと考えています。若い世代が献血に関心を持ち、参加することで、未来の患者たちに必要な血液が届けられます。
今、私たちができることは、ミユキさんのように献血が誰かの命につながるという事実を理解し、行動を起こすことです。献血は単なる行為ではなく、他者の生命に寄与する素晴らしい行為なのです。動画を通じて、そのメッセージが多くの人々に届くことを願っています。詳しくは、
神奈川県赤十字血液センターの公式YouTubeチャンネルをご覧ください。