新型高電圧インバータブリックの量産開始
ローム株式会社とシェフラーAGが、電動自動車向けの最新技術を駆使した新型高電圧インバータブリックの量産を始めました。このインバータブリックは、ロームのSiC(シリコンカーバイド)MOSFETベアチップを採用しており、電動パワートレインの心臓部とも言える重要な役割を担っています。
高効率な電動車の実現
今回のインバータブリックは、電気自動車が一般的に使用する800Vを超える最大バッテリー電圧に対応し、最大電流650Armsという高い能力を実現しました。これにより、電気自動車の性能に大きな影響を与え、その効率性を高めることが可能となります。
コンパクトな設計で未来を切り開く
ロームのSiC技術は、高出力を維持しつつコンパクトなデザインを実現しており、次世代電動車の普及をサポートします。この新製品の市場投入は、より効率的な電動モビリティの実現に向けた重要な一歩となります。
戦略的パートナーシップの強化
ロームとシェフラーは、2020年からの戦略的パートナーシップを通じて、SiCパワーデバイスに関する長期供給契約を締結。これにより、電気自動車の性能向上に不可欠なSiCチップの供給体制が強化されました。今回の新製品の量産は、両社の協業が実を結んだことを象徴しています。
代表者からのコメント
シェフラーのE-Mobility Division CEOであるトーマス・スティアレ氏は、「スケーラビリティとモジュール性を重視し、個別部品から高集積型電動アクスルまで対応可能なインバータブリックを開発した」と語ります。また、ローム株式会社取締役の伊野和英氏は、「第4世代SiC MOSFETがシェフラーのインバータブリックに採用されたことを非常に嬉しく思っている」とコメントし、この革新が自動車産業に新たなイノベーションと持続可能性をもたらすことに期待を寄せています。
シェフラーグループの紹介
シェフラーグループは、75年以上にわたりモーションテクノロジー分野での進化を続けており、電動モビリティやCO₂効率の高い駆動システムなど、持続可能で革新的な技術を提供しています。全球で約120,000人の従業員を抱え、55か国に250以上の拠点を持つシェフラーは、自動車産業の中で重要な役割を果たしています。彼らの取り組みは、信頼性の高い製品とサービスを通じて、効率性と持続可能性を向上させることに寄与しています。
この新型インバータブリックは、今後の電動車業界での技術革新をリードする存在となることでしょう。