パルクールの日の制定とその意義
2023年8月9日、フランス発祥のアーバンスポーツ「パルクール」の日が制定されました。この日をきっかけに、日本全国のパルクール愛好者、いわゆるトレーサーたちが集い、その魅力を再確認するイベントが行われました。指定されたこの日は、パルクールのさらなる普及と認知を図るための重要な一歩です。
日本パルクール協会とその役割
一般社団法人日本パルクール協会 (JPA) は、2014年に設立され、パルクールの普及に努めている団体です。特に「YAMAKASI(ヤマカシ)」という創始者グループの理念を受け継ぎ、オリンピック種目としての採用を目指して活動を続けています。彼らの精神と文化を守りつつ、パルクールに新たな風を吹き込むべく、全国的な視野を持った組織として再スタートを切りました。
YAMAKASI(ヤマカシ)とは?
YAMAKASI(ヤマカシ)は、パリ郊外で活動したダヴィッドを中心にした9人の創始者グループであり、「移動の芸術(l'art du deplacement)」という概念を持っていました。1990年代に始まった彼らの活動は1980年代に生まれた「パルクール」という単語と結びつき、身を使った表現方法として並行するように広まりました。この言葉はリンガラ語で「強靭な人間」や「強靭な精神」といった意味を持っています。
パルクールの特性
1.
心と身体の育成
パルクールは、走る、跳ぶ、登るなどを駆使して移動を探求するトレーニングです。このプロセスは、脳、心、身体をバランス良く成長させるサイクルを形成します。論理的思考や空間認識能力を育て、心理的障壁を超える考え方も身につけることができます。
2.
歴史的背景と戦場の起源
パルクールの起源は、フランス軍将校ジョルジュ・エベールの「ナチュラル・メソッド」にあります。これは、自然地形や障害物を乗り越える能力を養うトレーニング方法であり、近年ではそれが軍隊のみならずさまざまな職業のトレーニングとして広まっています。
3.
スポーツとしての未来
パリオリンピックでは、パルクールが開会式の演出にも採用されるなど、今後オリンピック種目としての期待が高まっています。また、教育の現場でも注目され、子どもたちに身体能力向上の機会を与えるプログラムが進行中です。
パルクールの未来に向けて
日本パルクール協会は、運動能力を育む教育プログラムを全国に広げる計画を進めています。しかし、パルクール現在の実践者が増加する一方で、社会との接点や厳密なルールの整備が必要との声も多いです。そのため、協会は今後も地域の事業者や団体との連携を強化し、新たな実践者に対する教育とサポート体制を整える方針です。
このように、パルクールは多くの人々の生活に溶け込みつつあり、運動能力を高めるだけでなく、精神力を育むありのままの楽しみ方を提供します。これからもその進化を見守っていきましょう。