映画制作の未来
2025-12-17 15:11:08

AIが変える映画制作の未来 ― SSFF & ASIA国際カンファレンスの全貌

AIと映画制作の未来を探る国際カンファレンス



2023年10月26日、アジア最大級の国際短編映画祭であるショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)は、映画制作におけるAIの役割をテーマにした国際カンファレンス「AIと映画制作の未来:創造性・協働・倫理の探求」を開催しました。本イベントは、海外からの応募が年々増加する中、AI技術を活用した映像作品が急増している現状を受けてのものです。特に2024年には、AIを活用した作品が112本も応募される見込みで、翌年には275本に達すると報告されています。

カンファレンスには、10カ国から映画監督やプロデューサー、研究者が参加し、三つの主要なテーマについて活発に議論が行われました。これらは、創造性と協働、倫理と文化的責任、そしてAIシネマの未来です。参加者たちは、AIが映画制作の現場にどのような変化をもたらしているのかについて、その影響と課題を各国の視点から共有しました。

AIがもたらす「創造と協働」の進化



カンファレンスでは、AIが映画制作における「創造的パートナー」としての役割を果たす実践が紹介されました。例えば、日本の映像作家、串田壮史氏は、AIが単なる道具ではなく「対話の相手」として人類の記憶を引き出す存在だと強調しました。また、山口ヒロキ氏は、AIが現段階では創作者の意図を可視化するアシスタントの役割にとどまっているが、将来的には真の共創者となる可能性について言及しました。さらには、ドイツから参加した作曲家・映画監督のマルセル・バルゾッティ氏が、AIを駆使した自身の作品『Imperia』の制作過程を紹介し、技術が進化しても映画の核は物語であると述べました。

フランスのメディアエグゼクティブであるアレクサンドル・ミシュラン氏は、新技術が常に創造性を更新してきた歴史を振り返り、AIへの理解とその価値を再確認しました。これらの発言は、AIが映画制作に革新をもたらす可能性を示唆しています。

各国が語るAI映画の可能性と課題



後半では、各国におけるAI導入状況およびその課題が報告されました。イランのジャヴィッド・ソブハニ氏は、AIが制約のある環境で制作資源を補う役割を果たすと指摘し、セネガルのウセイン・デンベル・ソウ氏は、AIが地域の映画産業に新たな可能性をもたらす力であると語りました。アメリカのダグラス・モンゴメリー氏は、AIが協働を促進するとともに制作のスピードを大幅に向上させるだけでなく、その効率性が制作現場に大きな影響を与えると予想しました。

一方で、メキシコのオスカー・パレス氏は、AIが道具として見なされがちであり、著作権制度が技術の進化についていけない現状について懸念を示しました。韓国のシン・チョル氏は、急激な技術の進化とその影響について言及しつつ、AIが創作者に平等なスタートラインを与える一方で、意図の喪失を懸念する姿勢を示しました。

AI作品の応募が急増 ― 新たな映画表現の潮流に



「AIは創造性を奪うのではなく、むしろ拡張するものだ」という認識が、議論の中で何度も呼び起こされました。同祭の代表である別所哲也氏は、「物語の力を祝福し続けることが私たちの使命だ」と述べ、未来に向けて人間とAIが共に創る新しい映画時代に大きな期待を寄せました。

このカンファレンスは、映画制作の未来を見据えた重要な一歩となりました。AI技術を駆使することで、新たな映像表現のジャンルが確立されつつある今、これからの映画制作はますます多様性と革新に富んでいくことでしょう。今後の展開に期待が高まります。


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