テイ・エス テックの革新技術、eスポーツの世界で実証
自動車内装品を多岐にわたって手がけるテイ・エス テック株式会社が、疲労度と集中力を可視化するための新技術をeスポーツの舞台で実証しました。この技術は、自動車用シートで培ったセンシング技術を活用しており、プレイヤーのコンディションをリアルタイムで確認できる特徴があります。
取り組みの経緯
テイ・エス テックは、2023年11月に株式会社KICONIA WORKSと提携し、AI技術の開発を通じた新たな価値創出に取り組んでいます。特に、心拍数と体圧情報を利用して、疲労度や集中力を推定するためのアルゴリズム技術の研究開発に注力しています。2024年9月からは、プロeスポーツ選手やヒューマンアカデミーe-Sportsカレッジの学生の協力を得て、実験が開始されました。
実証実験の概要
実証実験は2025年4月から6月の間に行われました。以下の2つを目的としていました:
1. 疲労度・集中力推定アルゴリズムの正確性検証
2. コンディション可視化がユーザーの行動や競技成績に与える影響の検証
対象としたのは、ヒューマンアカデミーの秋葉原校に通う学生たちです。
実証結果の詳細
疲労度の推定結果
参加者は自らの疲労感とシートの推定結果に違和感を抱くこともありましたが、半数以上は推定結果が自身の感覚と一致していると感じました。
集中力の推定結果
全員がシートの集中力推定が自身の状態と一致していることを確認し、技術の精度が高いことが証明されました。
行動の変化
全ての参加者が自身の疲労や集中力の可視化により、競技中だけでなく日常生活でも意識的に休憩を取るようになったと報告しています。結果として、最適なタイミングでの休憩を取れることで、競技中の疲労蓄積が抑えられ、パフォーマンスが向上することも確認されました。
今後の展望
eスポーツ市場の拡大とともに、選手たちの競技力向上や健康管理への関心が高まっています。テイ・エス テックは、疲労度や集中力を可視化する技術の商業化を進める計画です。また、今後はコンディションに基づく改善提案機能や、快適性向上のための技術を取り入れた商品開発も視野に入れています。
企業理念と未来への展望
テイ・エス テックは「人材重視」「喜ばれる企業」を掲げ、より一層の顧客満足を目指しています。得られたデータやフィードバックは、自動車用シートの開発にも役立たせ、運転支援シートや快適な車内環境の提供に活かすことを考えています。
まとめ
この革新的な疲労度推定AIシートは、eスポーツの界でその実力を証明し、新たな価値の創造に向けた一歩を踏み出しました。将来的にはさらなる技術の進化と多様な展開が期待されます。テイ・エス テックの取り組みに目が離せません。