台湾に進出したBioworksの取り組み
Bioworks株式会社は、植物由来の次世代合成繊維「PlaX(プラックス)」の開発・製造を手掛けている企業です。このたび、世界に向けて新たな第一歩を踏み出し、初の海外拠点として
台湾支店を設立しました。台湾市場をターゲットに、環境に優しい繊維プラスチックのプロモーションと販売を強化する狙いがあります。
Bioworksが目指すのは、持続可能な未来に対応する素材の提供です。特に、近年問題視されている石油由来合成繊維の代替として、環境負荷を大幅に削減できるPlaXの稼働を期待されています。
台湾市場参入の背景
世界中で繊維市場が拡大し続ける中、石油由来の合成繊維が市場の6割を占めている現実があります。しかし、その根源である石油は有限であり、製造過程でのCO2排出量も無視できません。このため、アパレル産業においてはサステナブルな素材へのシフトが急務とされています。
Bioworksは、石油由来の合成繊維を超える次世代素材を提案することで、サステナブルな産業への貢献を目指しています。台湾支店を設立することで、国内のメーカーやブランドとの提携強化を図ると同時に、より迅速で柔軟な供給体制を築き上げる予定です。
AceGreenとの提携
台湾では、
AceGreen Eco-Material Technology Co., Ltd.との提携が発表されました。AceGreenは、持続可能な素材の開発に長年の取り組みを持つ企業です。この提携により、PlaXの長繊維を国際市場で展開するための土台を固めようとしています。
CEOの
Chou Roger氏は、「環境負荷の少ない繊維素材の実現に向けて、日本のBioworks社とともに新たな長繊維の共同開発を進めます」とコメントし、この協力がもたらす期待感を表明しています。
PlaXの特徴と利点
「
PlaX」は、サトウキビを原料としたバイオマス素材であるポリ乳酸(PLA)を基にして開発が進められ、当社独自の植物由来添加剤が加えられています。その結果、環境への影響を抑えながらも、高い品質を維持することが可能となりました。
PlaXの主要な特徴として以下があります。
- - CO2排出量の大幅な削減:ポリエステル比較で長繊維の製造時に70%、短繊維では50%の削減を実現。
- - 水使用量の大幅な減少:綿と比べて90%削減。
- - 生分解性の特性を持ち、最終的に微生物により水やCO2に分解される。
- - ケミカルリサイクルとの親和性が高い。
これらの戦略によって、Bioworksはスポーツやアウトドアなどの分野での採用を中心に働きかけていく考えています。
今後の展望
Bioworksの
三輪和貴氏は、「PlaXの長繊維は3年にわたり試作を重ねた結果で、持続可能な代替素材として多くの分野での採用を目指します」と強調しています。企業間の協力を通して新しい素材の可能性を広げるこの試みは、台湾だけでなく国際的な広がりを見せることでしょう。
今後も、Bioworksは環境に優しい素材の提供を進め、持続可能な繊維業界の未来を切り開く存在であり続けることを誓っています。新たな拠点からの挑戦に、業界全体が期待を寄せています。