京都の伝統スイーツ『八ッ橋』を守る若き社長の挑戦

京都土産の定番として名高い『八ッ橋』。その味わいと歴史を背負うのは、創業から300年以上の伝統を有する『聖護院八ッ橋総本店』です。今回はその舵を取る若き女性社長、鈴鹿可奈子氏にスポットを当て、彼女の挑戦に迫ります。

八ッ橋の誕生と進化

八ッ橋は江戸時代にその歴史を刻み、ある名手を偲んで名づけられたと言われています。その後、明治時代には一般家庭でも手に入るお菓子として人気を博し、なんと法人化したのも京都の菓子店では初めてのことでした。

転機は1960年、表千家の即中斎宗匠のアイデアで誕生した『神酒餅』。これが今の三角形の『生八ッ橋』の礎となり、今日でも多くの人々に愛され続けています。

若きリーダーの挑戦

鈴鹿可奈子氏は1982年に生まれ、幼少期からアートやモノづくりに魅了されてきました。中学生の時、家業を継ぐ決意をし、京都大学で経営を学びました。卒業後、彼女は『聖護院八ッ橋総本店』の経営企画室長として新たな改革に取り組み始めます。彼女が大切にしているのは、「人を大切に、地元を大切に」という経営理念です。彼女の下で進められる多様な改革は、会社をどのように変貌させるのでしょうか。

和菓子の命を支える職人技

和菓子の心とも言える『あんこ』は、職人たちの手によって仕上げられます。気温や湿度に応じて蒸し方を調整し、週に約3トンの生産量を誇ります。その背後には、職人たちの繊細な技術とこだわりが詰まっています。

新ブランド「nikiniki」の誕生

鈴鹿氏が2011年に立ち上げた新ブランド「nikiniki」は、見た目にも楽しませてくれる可愛い八ッ橋が特徴です。季節ごとに新作が発表され、食べるのがもったいないと感じさせるその美しさは、多くの人々に感動を与えています。オーダーメイドにも対応し、特別な日のためのスイーツとしても人気を博しているのです。

未来への挑戦

時代のニーズを捉え、新たな八ッ橋の可能性を探求する鈴鹿可奈子氏。彼女が目指すのは、ただ伝統を守るだけでなく、変化する時代に合わせた新しいスタイルの和菓子を提供し続けることです。そして、この挑戦が無限の可能性を秘めていることも彼女自身が証明しています。これからの八ッ橋がどのように進化していくのか、一言のファンとしても非常に楽しみです。

多くの人々に愛され続け、常に変化を求める鈴鹿社長の奮闘は、家業を継ぐことの意味や、伝統を未来に繋げることの大切さを教えてくれます。