日本の歴史的名作が最新技術で甦る！『狂った一頁』の全貌

イマーシブフィルム『狂った一頁』が蘇る

日本の映画史において記念碑的存在であるアバンギャルド映画「狂った一頁」が、最新の技術を駆使し、イマーシブフィルムとして生まれ変わります。この作品は脚本をノーベル文学賞受賞作家の川端康成が手掛け、監督は伝説の映画監督・脚本家衣笠貞之助が担当した歴史的な作品。無声映画でありながら強烈な表現力を持ち、観客に深い感動を与えたこの作品が、新たに未来的な体験を提供する形で戻ってきます。

新たな体験の形

このイマーシブフィルムはVRゴーグルを必要とせず、空中映像装置を用いて、よりリアルで没入的な体験を可能にします。フランス・ポンピドゥーセンター音響・音楽研究所（IRCAM）と東京大学生産技術研究所の共同研究によって開発された「イマーシブ・ディスプレイ」技術を用いることで、観客はただの視聴者ではなく、映画の中に入り込み、実際に映画を体感することができるようになります。

講演と上映情報

このプロジェクトは、本年フランスのカンヌ国際映画祭に出展され、映画の新たな魅力を発信します。具体的な上映は、日本での公開を本年冬に予定しており、映画を愛するすべての人々にとって待望のイベントとなることでしょう。

あらすじと作成チーム

「狂った一頁」は、長い航海で家を空けていた船乗りが妻や子どもたちを顧みないことから始まります。取り残された妻は心を病み、閉鎖病棟に収容されることに。夫は彼女を見守るために用務員として病院で働くことにし、ある日、結婚を控えた娘が病院を訪れます。彼は妻の存在を知られてしまうことを恐れ、彼女を連れ出そうと試みるも、妻はその意思を拒みます。この物語は、ささやかな夢と深い悲しみの狭間で男性が幻覚を見る姿を描いています。

この映画の音楽には作曲家平野真由が加わり、新たな息吹が吹き込まれる予定です。また、イマーシブ演出は奥秀太郎が担当し、全体を通して新しい視覚と聴覚の体験を提供します。科学顧問にはガネーシュ・ガウリシャンカール（CNRS）が支援し、技術的な面でも強力なサポートが受けられています。