学生アスリートの腸内環境を支える機能性食品の可能性を探る

先日、森下仁丹株式会社と摂南大学、京都府立医科大学、太陽化学株式会社の共同研究チームが、学生アスリートの腸内環境改善に向けた試験結果を発表しました。この研究は、摂南大学ラグビー部の選手を対象に行われ、機能性食品の効果が実証されたものです。アスリートにおける腸内環境の状態は、パフォーマンスに深く関わるため、これらの結果は非常に重要です。

背景と研究目的

アスリートは、その強度の高いトレーニングや特異な食事（特に高タンパク食）を志向するため、腸内環境が乱れることが多くあります。摂南大学の井上教授の先行研究では、ラグビー部員の腸内環境調査を通じて、多くの学生アスリートが一般成人よりも悪玉菌が増加しやすいことが明らかになりました。そこで、腸内環境を改善するため、食物繊維や抗酸化物質を含む機能性食品の効果を探る研究が進められました。

研究の進行と結果

今回の研究では「グアー豆食物繊維」と「カシス抽出物」を4週間にわたり摂取する試験が実施されました。被験者には、これらの成分が含まれる食品を摂取してもらい、その影響を、科学的信頼性の高い二重盲検試験により評価しました。試験結果は、摂取したグループでは腸内のビフィズス菌や、酪酸を生産する有用菌の増加が確認されました。また、腸内環境が悪化していた選手においても、改善効果が顕著だったことが報告されました。

この結果から、善玉菌が増えることで腸の健康が促進され、パフォーマンス向上につながる可能性が示されています。また、特に腸内環境が乱れている選手にとって、これら機能性食品の効果は大きいことがわかりました。

今後の展望

腸内環境の健康がアスリートの生活や競技パフォーマンスにどれほど影響を与えるか、研究チームは今後も継続的に調査を進める意向です。井上教授の別の研究によれば、長距離ランナーにおいても同様の腸内環境の問題が報告されていますので、研究成果はラグビー選手だけでなく、他の多くのスポーツ領域にも応用できる可能性があります。

コメントと今後の取り組み

森下仁丹および太陽化学は、今回の研究成果を受けて、今後も学生アスリートが健康で充実した競技活動を行えるよう、機能性食品の提供を通じて腸内環境の改善に取り組んでいく方針です。このような取り組みは、アスリートに対する真摯な支援の一環として、さらなるパフォーマンス向上につながることが期待されます。

本研究の成果は、2025年の学術雑誌『Microorganisms』に掲載される予定です。興味のある方は、ぜひご一読ください。

これからも、アスリートの腸内環境改善と栄養の重要性についての研究が続けられることで、健康的な競技活動が支援されることを期待しています。