英語能の新作と再演が東京にやってくる
日本の伝統文化である能楽が、英語で上演される新しいスタイルの公演が、2025年8月に東京で行われます。早稲田大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)との協力によって実現したこの公演では、英語能の新作『オッペンハイマー』と、昨年好評を博した再演『青い月のメンフィス』の2作品が紹介されます。
公演概要
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『オッペンハイマー』: 8月6日、8月9日
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『青い月のメンフィス』: 8月7日、8月8日
- - 会場: 喜多能楽堂(東京都品川区)
- - チケット料金: 各回3,000円または5,000円(台本・冊子付)
この2つの作品は、日本文化を海外に紹介することを目的とした柳井イニシアティブの一環として上演されます。特に『オッペンハイマー』は、戦後80年目の重要な日に現代のテーマを扱った意欲作です。
『青い月のメンフィス』の魅力
この作品は、アメリカの劇作家デボラ・ブレヴォートが手がけたもので、エルヴィス・プレスリーを題材にした作品です。1993年に書かれたこの作品では、エルヴィスの命日に彼の墓を訪れるジュディが登場し、青い月の下でエルヴィスの亡霊に出会います。デニム素材の衣装やエルヴィスをモデルにした能面が使用され、伝統的な能のスタイルにエルヴィスのヒットソングを巧みに取り入れた音楽的要素も評判となりました。
『オッペンハイマー』のテーマ
一方の『オッペンハイマー』は、シドニー大学のアラン・マレットが創作した作品で、原子爆弾の開発に関与したロバート・オッペンハイマーの苦悩と悔恨を描いています。彼が抱える贖罪感とその結果としての苦悶は、禅の公案に結びつき、深いメッセージ性を持っています。特に、広島と長崎への原爆投下の記念日を踏まえての上演は、観客に強いインパクトを与えることでしょう。
パフォーマンスの概要
両作品とも、観客は日本語字幕付きで楽しむことができます。『青い月のメンフィス』では、巻き起こる感動的なストーリーとエルヴィスの音楽が融合し、訪れる者の心を捉えます。『オッペンハイマー』では、深い哲学的な考察と壮大な歴史を舞台上で体験することが可能です。
チケット申込
チケットは柳井イニシアティブのウェブサイトから購入できます。販売は2025年6月2日から開始される予定ですので、早めの申し込みをおすすめします。
新しい文化の架け橋
この公演を通じて、英語能という新たな表現方法が、国際的な文化交流を促進する一助となることが期待されています。伝統と革新が融合したこの舞台に、ぜひご注目ください。そして、能楽の新たな可能性を体感する貴重な機会をお見逃しなく。