映画『国宝』の魅力
2025-08-27 15:36:51

映画『国宝』の新たな魅力を解き明かすスタッフトークショーの全貌

映画『国宝』の新たな魅力を解き明かすスタッフトークショーの全貌



2025年7月5日、東京都渋谷区の「東急歌舞伎町タワー」にある「109シネマズプレミアム新宿」で、映画『国宝』のスタッフトークショー付き上映が行われました。李相日監督をはじめ、音楽の原摩利彦氏、音響の白取貢氏が登壇し、作品の魅力を深掘りする貴重な機会となりました。

音へのこだわりとプロフェッショナルの顔ぶれ



『国宝』の上映後、まず李監督が舞台に登場し、坂本龍一氏監修の音響システムを利用したこの特別な上映について触れ、音楽を担当した原摩利彦氏と音響を担当した白取貢氏を呼び寄せました。李監督と原氏は再び共演することができ、白取氏とは過去に『フラガール』や『悪人』でのタッグが印象的です。

白取氏は、俳優の表現の裏に潜む感情を音楽で表現するためのアプローチについて語りました。彼は、音響作業の難しさや重要性を強調し、特に映画における音楽と効果音のバランスについて考察しました。音楽がただの背景ではなく、キャラクターの心情や物語の流れを強化するものでなければならないという信念を持って話す姿が印象的でした。

映画音楽の役割と新たな挑戦



原氏は、音楽製作にあたっての挑戦や心情について話し、映画『国宝』では登場人物たちの広がりを音楽で表現することが求められたと振り返ります。また、彼が常に心掛けているのは、キャラクターの感情の奥に迫るような音楽の作成と、それを通じた観客へのメッセージです。白取氏は、彼と李監督、原氏の間でのアイデア交換やディスカッションが、最終的な作品にどれほど影響を与えたかを振り返りました。

特に『国宝』は、日本の伝統音楽である歌舞伎の音を現代の音楽といかに融合させるかが課題でした。白取氏は、映画制作におけるサウンドデザインの重要性とそれがもたらす感情の動きを解説しました。具体的には、音楽が演技や情景にどのように寄り添うかを探求していく作業が大切だと語ります。

主題歌「Luminance」とその背景



トークの終盤には、主題歌「Luminance」が話題に。李監督はこの曲が映画全体のテーマとどのように結びついているのかを説明しました。井口理さんの歌声がフィナーレを彩る中、どのタイミングで流れるか、その設計についての議論も興味深いものでした。原氏はこのプロセスを通じて、観客の心に強い印象を与えることができる楽曲の完成に向けた試行錯誤を振り返り、喜久雄の感情を代弁する重要な役割を担っていたと語りました。

最後に



トークショーは会場の質問コーナーで幕を閉じ、観客とプロの間で感情を共有する温かな雰囲気となりました。参加者は映画『国宝』が持つ音楽的背景と、その表現がどれほど深いかを体感できたことでしょう。

まだまだ上映中の『国宝』。この映画が描く深いメッセージと、音楽や音響の繊細な仕事に触れるために、ぜひ劇場でその音を体験して欲しいと思います。


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