杉良太郎が12年ぶりの舞台で魅せた感動の表現とは？

杉良太郎が12年ぶりの舞台表現に挑戦

歌手・俳優の杉良太郎が11月27日に開催したイベント『第一回杉良太郎に会いたい』は、彼自身にとって非常に特別なものとなりました。この日は、都内のサントリーホールで行われたこのイベントで、講演、歌、舞台表現の3つの要素が組み合わされた内容で、観客を心から楽しませました。

杉の“半次郎”熱演

イベントの中でも特に注目されたのが、杉が選んだ舞台『旅鴉半次郎ふりむけば夕陽』の一部を「本読み」形式で披露したことです。この作品は、杉が1979年に初めて上演し、彼の代表作とも言える渾身の一作です。杉は、具体的な演技を交えながら台本を自らの言葉で紡ぎ出しました。完全に台本を目を逸らし、観客に真摯な表現を届ける姿には、これまでの舞台活動の集大成とも言える情熱を感じました。

12年の時を経て

杉が舞台表現に挑むのは、約12年ぶり。最後に舞台に立ったのは、2013年に大阪新歌舞伎座で上演された『樅ノ木は残った』以来となります。リハーサルでは予想外のトラブルもあったものの、地声での表現に変更し、より臨場感を持たせるために全力で臨みました。彼は観客に向けて、舞台への思いと役者としての成長を振り返り、正直な心情を語りました。「役者は死ぬまで勉強」という言葉が印象的で、感情がこみ上げる瞬間もありました。

感謝の意を込めて

この日最後には、杉が自身の代表的な作品『遠山の金さん』の名セリフ「これにて一件落着！」でイベントを締めくくりました。観客に向けて「皆さんにとって大事なものの１つは時間。今日は、その時間をいただいて、ありがとうございます」と語り、温かな感謝の気持ちを表現していました。

『旅鴉半次郎ふりむけば夕陽』のあらすじ

杉が舞台で演じた『旅鴉半次郎ふりむけば夕陽』は、若き半次郎が紅花問屋での厳しい生活の中で出会った「およう」への思いを描いた物語です。二人の運命は時を経ても交錯し、愛と悲劇の中で成長していきます。半次郎は様々な困難に直面しながらも、最愛のおようを救うために立ち上がります。この物語には、人間関係や成長、愛の形が凝縮されており、杉の心に響いているようです。

感動の裏にはメッセージが

イベント内で観客からの質問に対しても、杉は自らの体験を基に、人間関係の難しさや相手に向き合う大切さを語りました。また, ヒット曲「すきま風」や「明日の詩」などを披露し、その歌声は81歳とは思えない力強さを感じさせるものでした。さらに、彼が作詞を手がけた「愛の一滴」には、杉の深い思いが込められています。