EV充電の未来を支えるユビ電とSORACOM
電気自動車(EV)の普及が進む中で、充電インフラの整備は避けて通れない課題です。そんな中、株式会社ソラコムが、ユビ電株式会社の提供するEV充電サービス「WeCharge」にIoTプラットフォームSORACOMを採用したニュースが発表されました。
「WeCharge」の充電サービス
ユビ電が展開する「WeCharge」は、集合住宅、ホテル、勤務先などにEV充電設備を設置し、利用者が手軽に充電できるサービスです。すでに全国各地に3,000以上の充電ポートが設置されており、充電スポットも急速に拡大しています。利用者は専用アプリを使って、充電の管理やスポットの検索、利用状況の確認が簡単に行えます。また、設備の管理者向けには設置や管理、保全をサポートする機能も提供されています。
この充電サービスは、異なるメーカーのEV充電器にも対応しており、幅広い利用シーンで活用可能です。特に、EV所有者の自宅や勤務先での基礎充電のニーズが高まる中、充電環境の整備の重要性は増しています。
SORACOMの導入背景
SORACOMが採用された理由は、EV充電設備とクラウドをつなぐことで、利用者に快適な体験と安定した運用を実現する機能があるからです。具体的には、SORACOM IoT SIMを通じて、ユーザーコンソールやAPIからIoT回線を一元的に管理することができます。このシステムにより、設置場所のWi-Fiを利用することなく、セルラー通信を組み込むことで設定が簡素化されました。さらに、クラウド経由での遠隔管理により、トラブルが発生した場合も迅速に異常を検知し、リモートアクセスによって適切に対応が行えます。
また、SORACOMの導入により、通信量やセッション状態をリアルタイムで監視でき、サービス運用の安定性も向上しています。プロトタイプからプロダクションへの開発期間を大幅に短縮することができ、早期のサービスリリースも実現しました。
各社からの評価
ユビ電代表、山口典男氏は「SORACOMはEV充電インフラ構築において最適なプラットフォームだ」と評価し、通信の安定性やセキュリティ機能を重視しているとコメント。通信のセキュリティを確保できることで、安心して利用できる環境が整っています。また、柔軟に導入できるAPIもあり、開発効率の向上も期待されています。
一方、ソラコムの上級執行役員、齋藤洋徳氏は、ユビ電のEV充電サービスを通じて新たな社会インフラの拡充や環境課題の解決に貢献できることを嬉しく思っていると述べています。
未来への展望
ユビ電は「電気の未来を描く」をビジョンに掲げ、誰もが気軽に「じぶんの電気」を使える未来を目指しています。今回のSORACOMの導入により、より安全で利便性の高いEV充電インフラの全国展開を加速し、脱炭素社会の実現に貢献する意向を示しています。これからのEV充電サービスの進化が期待される中、ユビ電とSORACOMの取り組みに注目が集まっています。