講演会の概要
大阪経済大学にて、元プロサッカー選手でありYouTuberの那須大亮氏が「夢を追い続けるために ~元プロサッカー選手が語る、人生設計とキャリアプラン~」というテーマで講演を行いました。日付は3月11日、対象は体育会クラブに所属する学生です。
この日、那須氏は講演前に大学のサッカー部の練習に参加し、学生たちとトレーニングやミニゲームを楽しみました。その模様は彼のYouTubeチャンネル「那須大亮 / Daisuke Nasu」でも見ることができます。
成長のきっかけ
講演は、彼の中学時代のエピソードから始まりました。当時の彼は「身長は高かったけれども、足は遅い」と自己評価。そんな彼が変わったのは、元プロサッカー選手である恩師との出会いでした。この出会いが、彼に新しい意識をもたらしました。
彼は自ら練習プログラムを作成し、特にディフェンダーとしての強化に取り組んだそうです。努力が実り、名門・鹿児島実業高校を経て、駒澤大学へ進学し、1年生から試合に出場。U-19日本代表にも選出され、大学生活の中で大いに活躍しました。
勇気と決意
プロサッカー選手になる決意を固めた那須氏は、横浜F・マリノスの強化部に自ら売り込むことを決意します。高校の監督からは即座に了承を得ましたが、大学の監督からは厳しい言葉を受けたといいます。
「大学はプロの予備軍ではない」との監督の言葉にも関わらず、何度も通い詰め、ようやく進む道が開かれたのです。
2002年に横浜F・マリノスに入団しプロデビュー。翌年にはチームのJ1完全制覇に貢献し、自身も新人王に輝きました。浦和レッズ時代には公式戦4試合連続得点も達成し、名実ともにサッカー界での立場を確立していきました。
挫折と成長
那須氏は、プロとしての道のりの中で挫折の経験も重ねてきました。しかし、彼はそれらを成長の機会と捉えるよう努めていました。「ピンチはチャンス」という彼の言葉は、挫折が新たな可能性を開くとする信念が根底にあります。サッカー選手としての試合に出られない時期や、カテゴリー上昇が叶わない苦難の中で、前向きに取り組んできたことを強調しました。
仕事への理解
また、約18年のプロ生活の中で「仕事の本質」についても深く感じていました。特に浦和レッズの熱心なサポーターとのエピソードは印象に残ります。サポーターが「一緒に戦いましょう!」と声を揃える中で、彼は自分がその背後で支えられていることを理解したのです。この経験が、今のYouTuberとしての活動にも繋がっており、サッカー界をより良くしたいという思いを持つようになったと語りました。
学生たちへのメッセージ
講演の中で那須氏は、学生たちに対して「人間力を磨くこと」を強調しました。一流の選手には、人間力の高さが共通しているということです。ヴィッセル神戸で共にプレーしたイニエスタ選手の素晴らしい人柄にも触れ、感謝の気持ちを持つことが大事だと教えます。成功だけでなく、日常の小さなことに目を向け、感謝の気持ちを持つこと。こうした基本的な人間力の大切さを若い世代に伝えました。
質疑応答の時間にも、現役学生に向けた具体的なアドバイスを行い、参加者たちに貴重な刺激を与えた講演会は、那須氏を囲んでの記念撮影で幕を閉じました。彼の生の言葉は、サッカーに対して情熱を燃やす学生たちにとって、大きな意味を持つものであったことでしょう。