京都サンガF.C.の芝生管理に革新をもたらす「LAQUAtwin」の寄贈
2025年9月3日、京都府亀岡市のサンガスタジアム by KYOCERAにて、堀場アドバンスドテクノから京都サンガF.C.へのコンパクト型水質計「LAQUAtwin」の寄贈式が行われました。この寄贈は、選手が最高のパフォーマンスを尽くすための環境を整える重要な施策です。
スタジアムの課題とその解決策
京都サンガF.C.のホームスタジアムであるサンガスタジアムは、21,600人を収容可能な施設で、すべての座席に屋根が設けられています。そのため、観客は快適に試合を観戦できますが、一方で芝生の成長に必要な日照時間が制限され、地域によって日照条件に大きな差が生じるという課題を抱えていました。
日照不足は、芝生の育成に影響し、施肥や種蒔きのタイミングなどにおいても困難をもたらします。この問題を解決するため、堀場アドバンスドテクノが「LAQUAtwin」を活用した芝生管理を提案したのです。
「LAQUAtwin」の多機能性
今回寄贈された「LAQUAtwin」は、pHメーター、カルシウムイオンメーター、ナトリウムイオンメーター、カリウムイオンメーター、硝酸イオンメーターの5種類の測定機器を含んでいます。これにより、芝生の状態を数値化することができ、特定エリアの日照時間に応じて肥料の量を調整し、土壌環境のさらなる安定化を図ります。
HORIBAとしては、この寄贈を通じて、選手たちが安全にプレイし、パフォーマンスを最大限に発揮できる条件を整えることを望んでいます。
芝生管理の重要性
スタジアムの芝生管理は、選手の安全を確保し、質の高いプレイに直結する重要な役割を果たしています。サンガスタジアムの専属グラウンドキーパーは、徹底した管理を行っていますが、やはり日照不足による影響がありました。特に、夏至の日のピッチの東側は約6時間、中央は約8時間、西側も約6時間の日光が得られるに過ぎず、育成が一定でないため、栄養管理は必要不可欠でした。
適切な土壌管理の必要性
芝生の健康を守るためには、葉と茎への硝酸、カリウム、ナトリウム、カルシウムの適正な吸収を促し、土壌が栄養過多にならないように管理を行う必要があります。これまでの取り組みでも土壌の状態を維持してはいましたが、「LAQUAtwin」を導入することで、さらに管理を強化し、理想的なピッチコンディションを目指します。
測定の実施方法
芝生の葉部分の水分量が低いため、必要な葉汁の採取は難しいです。そのため、一定量の水を加えた芝生を乳鉢で擦り、サンプルを作成します。このサンプルを「LAQUAtwin」の平面センサに載せて測定を行います。
このような取り組みを通じて、京都サンガF.C.はフィールドコンディションの向上を図り、選手が安心してプレイできる環境を整えることを目指しています。