倉敷市に新たなEV充電インフラが誕生
このたび、三菱自動車工業と株式会社Yanekaraが手を組み、倉敷市に公用車用の新しい充電設備を導入しました。この新システムは、先進的な充電制御が可能な20基の充電器を備え、効率的な電力の使用が実現します。
倉敷市は2021年6月に「2050年ゼロカーボンシティ」に向けた目標を掲げ、カーボンニュートラル化に向けた積極的な取り組みを推進しています。三菱自動車の調査によれば、同市が使用するバンタイプの軽自動車を電気自動車(EV)に切り替えることで、1台あたり年間約7.2万円の燃料費と約0.49トンのCO2を削減できるという試算が出ています。それを受けて、倉敷市はEVの導入を促進し、2025年度には20台以上のEVを公用車として運用する計画です。
新たな充電コントロールの実現
EVの導入に伴い、駐車場の電力設備のキャパシティが問題となります。この点を解決するために、三菱自動車が提案したのが「YaneCube」という充電制御サービスです。このサービスによって、充電の効率を最大化し、より多くのEVを同時に充電できるようになります。特に、大規模な設備投資を行わずに月額500円という安価な料金で利用できるため、予算に優しい選択肢となっています。
新サービスの導入により、充電時間のスケジュール制御や同時充電台数の制御が可能になります。これは、既設のブレーカー容量を超えることなく最大限の充電設備を活用できるということを意味します。この計画的な充電管理は、電力の無駄を省きながら、環境負荷を軽減することに大いに寄与します。
企業の取り組みと今後の展望
進化する電動車業界において、三菱自動車は早くから電動車の普及に取り組んできた企業です。世界初の量産EV『アイ・ミーブ』やSUVタイプのプラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』の発売を手がけ、現在も自治体や企業と連携し充電インフラの整備を支援しています。
一方、Yanekaraは「地球に住み続けること」をミッションとして掲げ、電気工事を必要としないEV充電器や家庭用蓄電池の開発を進めています。「YaneCube」を通じて分散エネルギーの迅速な普及を目指しており、今後も多様なパートナーとともにEVの導入を促進していきます。
倉敷市の未来に向けた挑戦
倉敷市の市長である伊東香織氏は、EV充電設備の導入後、電気設備の増設費用を抑えつつ電気の使用量のピークをシフトできると述べました。続けて、同市は今後も電動車の導入や充電環境の整備を推進し、ゼロカーボンシティへの道を進んでいく意向を示しています。
この新たな取り組みが、地域社会および環境に与えるポジティブな影響に期待が高まります。電動化が進む未来に向け、倉敷市の挑戦は他の自治体にとっても貴重なモデルケースとなることでしょう。