CARRO JAPANと中外製薬が進めるEV導入シミュレーションプロジェクト
2025年1月10日、中外製薬の営業車両の環境負荷を軽減するために、CARRO JAPANによるEV導入シミュレーションプロジェクトが始まりました。この取り組みは、企業の環境目標に向けた一歩として注目されています。具体的には、中外製薬の医薬情報担当者(MR)が使用する営業車両の走行データを活用し、CARROの「EVデジタルツインシミュレーション」に基づいて効果を測定します。
プロジェクトの目的と背景
近年、多くの企業が社用車のEV化を進める中で、コストだけでなく、ESG(環境・社会・ガバナンス)への貢献度も評価されるようになっています。しかし、EV導入の効果を具体的に可視化することは難しく、各運転者の挙動や走行ルートの分析が導入判断の壁となっていました。中外製薬は、2030年までに営業車両の総燃料使用量を75%削減するという目標を掲げており、これを目指した取り組みが今回のプロジェクトです。
シミュレーションの進行状況
CARRO JAPANは、MRの業務におけるガソリン車とEVの環境および経済両面での比較を行っています。分析には、走行距離や運転挙動に加えて、気候や地理条件といった多様なデータが活用され、消費燃料やコスト、CO2削減に対する影響が定量的に評価されます。プロジェクトの初期段階では、4月15日に運行データの取得が完了し、その後はデータ解析とシミュレーションを進め、5月までに解析結果を導き出す予定です。
CARRO JAPANの役割とビジョン
CARRO JAPANは、ソフトバンク株式会社とシンガポールのCARROが手を組んで設立された企業で、AIやITの先端技術を駆使した車両マッチングプラットフォーム事業を展開しています。環境負荷を減らしつつ、クルマをより多くの人に利用してもらうという未来を目指しています。このプロジェクトを通じて、中外製薬のEV導入を後押しし、より持続可能な社会へと貢献する意向です。
未来へ向けて
中外製薬とCARRO JAPANが展開するこの新しいシミュレーションプロジェクトは、企業による環境負荷を軽減する手助けになると期待されています。ESGへの配慮がますます求められる中、具体的な数値による評価方法が確立されることは、他企業にも波及効果をもたらすことでしょう。今後のシミュレーション解析の結果が、持続可能な移動手段への一助となることを願ってやみません。