視覚障がい者支援
2025-07-11 15:43:01

視覚障がい者を支援するフォーミュラEとGoogle Cloudの革新プロジェクト

モータースポーツの新たな可能性:フォーミュラEとGoogle Cloudの挑戦



2023年7月9日、モータースポーツの未来を大きく切り開く取り組みとして、フォーミュラEとその公式クラウドパートナーであるGoogle Cloudが手を組みました。この共同プロジェクトは、視覚に障がいのあるファンに向けたAIを活用した音声レースレポート・ポッドキャストの開発です。これにより、モータースポーツの魅力を新たな形で届けることを目指しています。

プロジェクトの背景と目的



ロンドンで開催されたGoogle Cloudサミットにて、フォーミュラEのCEO、ジェフ・ドッズがこのプロジェクトの趣旨を説明しました。視覚に障がいのあるファンがもたらされるモータースポーツのエキサイティングな瞬間を体験する機会を提供することが、プロジェクトの根幹です。

この新しいポッドキャストの内容は、各E-Prixのレースが終了後に、オンデマンドで視聴可能になります。レースのダイジェストを、まるでその場にいるかのような臨場感で料理した音声サマリーを制作し、ファンに届けるというもので、その音声レポートは多言語で配信されます。

技術的な仕組み



プロジェクトで使用される技術は、Google Cloudの「Vertex AI」プラットフォームに基づいています。ここでは、いくつかのステップを経て音声レポートが生成されます。

1. 音声の書き起こし:Googleの音声認識モデル「Chirp」を用いて、レース実況を高精度で文字起こしします。
2. 分析と要約の生成:生成AI「Gemini」が、実況の文字起こし、ライブタイミングデータや公式レース情報を分析し、レースの重要な展開を抽出します。
3. 音声変換:最終的に、テキストは先進的なテキスト読み上げ技術(TTS)により自然な音声に変換され、高度な音声レポートが完成します。

このプロセスは、レース終了後わずか数分で完了します。配信はSpotifyなどの音声プラットフォームで行われ、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、日本語、中国語、アラビア語を含む15以上の言語対応予定です。

RNIBとの連携



現在、プロジェクトはRNIB(視覚に障がいのある人の支援を行う英国の慈善団体)との緊密な連携を通じて進められています。視覚障がい者のニーズに応じたインクルーシブなコンテンツ提供を目指し、実用的で意義のある形での音声レポートの構築に力を入れています。

共同の展望



この取り組みは、今後ベルリンやロンドンでのレースウィークに合わせてフォーカスグループの実施やユーザーテストを行い、2024年のシーズン12から本格展開を予定しています。

ジェフ・ドッズは「全ての人がエレクトリックレースの興奮をアクセス可能なものにすることを信じています。AI技術の優れた活用により、視覚に障がいのあるファンに新たな体験を提供します。」とコメントしています。

結論



フォーミュラEとGoogle Cloudの協業は、モータースポーツにおける障壁を取り払い、すべての人が楽しめる未来を切り開くものとなるでしょう。技術の進化とともに、誰もが楽しむことができるスポーツとしてのモータースポーツの再定義を、皆で楽しみにしたいものです。


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