沖縄戦映画上映会
2025-05-16 12:10:17

沖縄戦80周年記念の映画イベント『骨を掘る男』上映とトークセッション

沖縄戦80周年記念イベント『骨を掘る男』上映会



2025年、沖縄戦が終結してから80年を迎える特別な年に、東京外国語大学で貴重な映画上映会が開催されます。基調的な作品として選ばれたのは、40年以上にわたり沖縄戦の戦没者の遺骨を収集し続けている具志堅隆松さんの活動を描いたドキュメンタリー映画『骨を掘る男』です。この作品は、地中に眠る遺骨の意味を問い直し、沖縄戦の歴史を深く掘り下げる試みを行っています。

上映会は2025年5月30日(金)18:00より東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホールで行われ、事前登録された501名が無料で参加できます。ゲストとして映画の監督である奥間勝也氏を迎え、上映後にはトークセッションが行われる予定です。このイベントは、単なる映画鑑賞に留まらず、観客と監督が共に作品について語り合う貴重な場となることを目指しています。

『骨を掘る男』の内容



本作は、沖縄戦における遺骨収集というテーマを掘り下げるもので、具志堅さんの活動を通じて、過去の痛みと向き合う姿勢を示しています。映画の中では、具志堅さんが地中から拾い集めた遺骨やその周辺に存在する断片から、戦没者の生き様やその死に寄り添う姿が描かれています。また、彼がこの行為を「行動的慰霊」と呼び、単なる感情表現ではなく実践的な行動であることを強調しています。

監督の奥間氏は、沖縄戦による家族の影響を受け、自らの大叔母の足跡を探しながら、この作品を創り上げました。彼の視点を通して、過去に起きた悲劇をどのように伝えるべきか、観客に問いかける構成となっています。映画は115分という長さで、視覚的にも内容的にも豊かな体験を提供します。

沖縄の歴史との向き合い



沖縄本島の南部には、沖縄戦によって命を落とした数多くの人々の遺骨が残されています。これは住民や旧日本軍兵士、さらには米軍兵士、朝鮮半島や台湾出身者を含む多様な人々のものです。戦没者を悼む場所が、今では米軍新基地建設のために埋立資材のための採掘場に変わろうとしているという現実は、多くの人々にとって痛ましい現状です。この文脈の中で、奥間監督が問いかける「出逢ったことのない人の死を悼むことができるのか?」という疑問は、観客にとって重要なテーマとなります。

本作は、沖縄の歴史と戦争の意味、そして個人の死をどう受け止めるのかを見つめる機会を提供します。日本の近代史の中で果たしてきた沖縄の役割を再確認し、戦争の愚かさと哀しさを思い知らされることでしょう。

特別なイベントと写真展



上映会と合わせて、「土砂と遺骨をつなぐ」写真展も同日、東京外国語大学のアゴラ・グローバルにて開催されます。こちらも入場無料で楽しむことができ、沖縄の歴史を学ぶさらなる機会となります。

この特別なイベントを通じて、沖縄戦の歴史を振り返り、戦没者を悼む想いを共有することができます。是非、多くの方にご参加いただき、沖縄の過去と未来に思いを馳せていただきたいと思います。


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