冨永愛が挑む京提灯作りの魅力
京都の伝統文化に深く根ざした京提灯。その魅力を伝えるべく、冨永愛が京提灯の工房を訪問しました。9月24日放送の「冨永愛の伝統to未来」では、京都市に位置する老舗の「小嶋商店」を舞台に、冨永さんが実際に提灯作りに挑戦します。
小嶋商店は、江戸時代の寛政年間に創業し、200年以上の歴史を誇る名店です。地元はもちろん、海外からも多くの注文を受けており、その人気の理由は京提灯がともす温かい光にあります。韓国やアメリカなどでの需要も増している中、提灯作りには独自の技術やこだわりが求められます。
提灯の製造法は主に二つあります。一つは「巻骨式」で、竹ひごをらせん状に巻いて作る方法。もう一つは「地張り式」で、細く割った竹を型に沿わせて組み立てます。後者は特に丈夫で長持ちするため、屋外で使用することが多い京提灯には最適です。しかし、この地張り式の製造には膨大な手間がかかり、京都市内には数軒しか工房が存在しません。
小嶋商店では九代目の小嶋護さんとその次男の諒さんが、未だに地張り式で作業を続けています。冨永さんが工房を訪れた際、彼らの手仕事を目の当たりにします。「糸釣り」と呼ばれる竹を糸で繋ぐ作業は、提灯の強度を決定づける重要な工程です。冨永さんが挑戦すると、常に糸を緊張させる難しさに直面し、「これは本当に難しい!」と驚きの声を上げます。職人の熟練した技の前に、冨永さんは圧倒されました。
続いて行われたのが「紙張り」です。和紙を竹骨に張り付けるこの作業も難易度が高く、特にカーブの部分では皺が寄ってしまうため、冨永さんはその難しさに感嘆します。「職人の皆さんの手際の良さに驚いています」と語る姿が印象的でした。
また、提灯に文字や絵を入れる「字入れ」や「塗り」を担当する九代目護さん。しかし、これもまた簡単ではありません。凹凸のある表面に綺麗に絵や文字を施すためには、並々ならぬ技術が必要です。冨永さんが体験する中で、「これは本当に難しい」とこぼす場面もありました。
時代の流れの中で伝統工芸も試練を迎えていますが、小嶋商店では新たな商品開発にも余念がありません。「ちび丸」と名付けられたミニ提灯は、子供たちも手軽に提灯作りを楽しめるキットです。自分だけのオリジナルミニ提灯を作ることで、新たな需要を創り出しています。
さらに、この番組内では「北陸の伝統を未来へ紡ぐ」コーナーもあり、昨年の能登半島地震の影響で困難に直面する伝統工芸の方々への応援メッセージが流れました。
「冨永愛の伝統to未来」は、毎週水曜の夜10時にBS日テレで放送。彼女が全国各地を巡り、先人たちから受け継がれてきた伝統文化の素晴らしさを伝えながら、未来への希望を抱く姿をぜひご覧ください。公式SNSでは、ロケ中の冨永愛の貴重なオフショットも公開中です。