JSOLとフォトロンがタッグを組みエアバッグ開発の革新を実現へ

JSOLとフォトロンが業務提携

東京都千代田区に本社を置く株式会社JSOLと株式会社フォトロンが業務提携を結びました。この提携は、製造業の開発効率化を目指す重要なステップとなります。JSOLが持つCAE（Computer Aided Engineering）に基づくシミュレーション技術と、フォトロンの高速カメラを使用する3Dモデル生成サービス、HSVC（High Speed Volumetric Capture）を融合させることで、より現実に即したシミュレーションの実現が期待されています。

業務提携の背景

製造業は、国際競争が激化する中で開発期間の短縮やコスト削減が求められています。特にエアバッグのような安全性が重視される製品では、国際的な規制の強化も相まって、開発段階からの安全性能の担保が必要です。例えば、2026年以降、ヨーロッパの自動車安全性能評価機関であるEuro NCAPは、エアバッグのバーチャル試験に対する要求水準を引き上げる計画をしています。このような背景がある中で、シミュレーション技術の高度化に期待が寄せられています。

シミュレーションにおいては、誤差による手戻り作業や実際の実験との比較が難しいといった課題も多く、これを改善することが求められています。そこで、JSOLとフォトロンの業務提携は、これらの課題を解決するために重要な役割を果たすことでしょう。

業務提携による利点

提携によって両社は、HSVCによって得られた3Dモデルデータとシミュレーション結果を、3次元空間上で比較することが可能になります。これにより、シミュレーションの精度が大幅に向上する見込みです。具体的には、HSVCで収集したデータを用いることで、複数の条件下における挙動の再現性が向上します。この融合技術を活用すれば、開発過程での手戻り作業が削減できるため、結果として開発期間とコストの削減が実現されるでしょう。

また、HSVCで得られた3DモデルデータをCAEの教師データとして利用することで、シミュレーションが現実の現象により近づき、精度が更に向上します。このように、JSOLとフォトロンは、協力してエアバッグ開発の効率を高めるワンストップソリューションの構築を目指しています。

未来への展望

両社が有する強みを生かした業務提携により、製造業界におけるデジタル手法の進化が期待されています。新しいシミュレーション技術が導入されることで、安全性確保をしながら開発をスピードアップし、結果的に顧客に対して高品質な製品を迅速に提供することが可能になるでしょう。さらに、製造業における競争優位性を高める要素となるはずです。今後もJSOLとフォトロンの動向から目が離せません。