アストンマーティンValkyrieの2026年WEC参戦が決定
2025年12月8日、アストンマーティンの名車Valkyrieが、2026年のFIA世界耐久選手権(WEC)に同じドライバー陣で参戦することが発表されました。この決定は、Valkyrieが驚異的なデビューイヤーを経て、さらなる進化を目指すものです。
アストンマーティンのTHORチームに所属するトム・ギャンブルとハリー・ティンクネルの英国人コンビは、007号車のドライバーとして2026年も引き続き活動します。また、特定のレースではロス・ガンがサポート役に加わります。009号車にはスペインのアレックス・リベラスとデンマークのマルコ・ソーレンセンが搭乗し、長距離イベントではカナダのロマン・デ・アンジェリスが加わる予定です。
ドライバー陣の強化
THORチームの代表、イアン・ジェームズは、「私たちは2025年のシーズンを通じて、多くを学び、成長してきました。ドライバーたちは期待を上回る成果を上げ、チームはValkyrieに対する理解を深める貴重な拠点を構築しました。これが来年の成功に向けた大きなステップになります」と語りました。2026年は更なる成果を挙げるための絶好のチャンスとしています。
バルキリーは、アストンマーティン初のル・マン・ハイパーカー(LMH)として、WECの最高峰クラスで唯一、公道仕様のハイパーカーをベースにした存在です。2019年から始まったその旅路は、2025年のカタール1812kmレースでの華々しいデビューから始まり、チームはその後、アグレッシブな競争力を示すようになりました。
着実な成功の歩み
先シーズンのValkyrieは、連続でポイントフィニッシュを達成し、富士6時間レースではWEC全体の中で総合5位という最高成績を残しました。また、リベラスはバーレーン8時間レースでの歴史的なパフォーマンスにより、WECの先頭に立つ快挙も果たしました。加えて、IMSAの最終戦では国際レースにおいて初めて表彰台に上がることとなり、デ・アンジェリス、ガン、リベラスはその優勝を手にするまであと5秒という僅差でした。
さらに6月には、ル・マン24時間レースにおいても両Valkyrieが無事完走し、アストンマーティンTHORチームはワークスチームとしての初ポイントを獲得するなど、目覚ましい成果を上げました。
Heart of Racingチームの成長
一方で、アストンマーティンのパートナーチームHeart of Racing(THOR)のVantageも2026年WECに2台で参戦します。イアン・ジェームズは27号車のドライバーを務め、グレイ・ニューウェルが姉妹車の23号車にライディングします。ニューウェルはGT World Challenge Americaでの成功をたいへん貴重な経験として、WECへの挑戦を新たなページとしています。
特にVantageは14年連続でWECに参戦し続け、53回のクラス優勝を達成した名車でもあり、2026年にはその14回目の世界選手権タイトル獲得を目指します。
期待される未来
アストンマーティンは、来シーズンも強力な体制で挑む姿勢を見せています。競技の場で力を発揮し、新たな記録を打ち立てる日を待ち望んでいます。バルキリーとVantageの両者が、アストンマーティンの輝かしい未来を築くために、彼らの野心を胸に駆け抜けていくことが期待されます。