家族の絆と痛みを描く舞台『リンス・リピート』日本初上演

舞台『リンス・リピート』日本初上演

2025年4月17日から5月6日まで、東京の紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで、日本初上演となる舞台『リンス・リピートーそして、再び繰り返すー』が開幕します。この作品は、2019年にオフ・ブロードウェイで注目を集めた作品で、家族内の葛藤や苦悩を描いています。演出を手掛けるのは第30回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した若手演出家・稲葉賀恵。キャストには、寺島しのぶ、吉柳咲良、富本惣昭、名越志保、松尾貴史といった実力派が揃い、繊細で濃密な物語が展開されます。

物語の背景

舞台は、摂食障害を抱える大学生・レイチェルが4か月ぶりに家族と再会するところから始まります。彼女の帰宅を心待ちにしていた家族は、喜びに満ちたひとときを過ごそうとしますが、次第に彼女の心の内には複雑な感情が渦巻いていきます。母・ジョーンは、苦労して育てた娘が元気になることを願ってやみません。しかし、レイチェルは次第に母からの愛情が自分を苦しめる原因ではないかと疑い始めます。このすれ違いが、母と娘の関係に新たな波紋を広げていきます。

キャストの魅力

特に注目したいのは、母・ジョーン役の寺島しのぶです。彼女は、移民として苦労しながらも弁護士として成功を収めた母親の複雑な心情をどのように表現するのか、観客の期待を集めています。また、娘・レイチェルを演じる吉柳咲良も注目を浴びており、彼女自身が作品のテーマである「自分を愛せるのは自分」というメッセージをどのように伝えるのか、非常に興味深いです。さらに、息子・ブロディ役の富本惣昭、セラピスト・ブレンダ役の名越志保、優しさと不器用さを持つ父・ピーター役の松尾貴史といった多彩なキャストが、家族の複雑な愛と痛みを繊細に描き出します。

見どころとメッセージ

この舞台は、ただの家族の物語ではなく、人々が日常の中で抱える心の葛藤をリアルに問いかけます。摂食障害というテーマを通じて、家族だからこその痛みや愛について深く考えさせられる内容になっています。特に、母から娘へと受け継がれる、痛ましい真実や希望を描く様子は、観客に強いメッセージをもたらすでしょう。

2025年5月10日、11日には京都劇場でも公演が行われる予定です。チケットはホリプロステージによる特別先行販売が行われており、ぜひ早めの予約をおすすめします。