鬼才カウフマンの初小説『アントカインド』がついに登場！超豪華な装丁と予言的内容

鬼才カウフマン、初の小説『アントカインド』が登場

2025年8月27日、著名な映画作家であるチャーリー・カウフマンが初めて手がけた長編小説『アントカインド』が株式会社河出書房新社からリリースされます。価格は税込15,400円で、特に目を引くのはその豪華な造本。しかしこの本は、その外観だけでなく、ページの中身でも読者を驚かせることが想定されています。

独特な内容とストーリー構成

『アントカインド』は720ページというボリュームを誇り、全体は90章に分かれています。興味深いことに、作中の映画が90日（3ヵ月）をかけて上映されることを踏まえ、この構成が用いられているのです。物語は、火事で失われた映画の内容を思い出そうとする主人公から始まりますが、途中で現れる偽物のキャラクターによって、ストーリーは一筋縄ではいかない展開を続けます。全体としては、90の挿話からなる連続コメディとして楽しまれることが意図されています。

カウフマンの作品特有の奇想天外なアイデアが、この小説の中でも存分に発揮されています。まるで映画を観ているかのような感覚が、読者を一気に物語に引き込みます。

大絶賛の推薦コメント

『アントカインド』の日本語版出版に際し、多くの著名人から推薦の声が寄せられています。映画監督のフランシス・F・コッポラは自身のInstagramで、「人生観を変えてくれる、ユニークで大胆な傑作」とコメント。作家の佐藤究氏は、「異常な映画愛と懐かしきポストモダンの饒舌思考で、アメリカ合衆国の〈今〉を走査する」と表現しました。また、タレントのふかわりょう氏も「超絶クレイジーで最高にクール！」と称賛を送っています。

これだけでも、本書がいかに注目を集めているかが分かるでしょう。

豪華な装丁デザイン

『アントカインド』の書籍は、日本を代表するブックデザイナーの川名潤氏によって特別にデザインされています。黒色の皮革調クロスを使用し、全面に押されたレインボー箔が目を引く存在感を醸し出しています。この装丁は、ただの見た目に留まらず、触り心地にも重きを置いた仕上がりとなっています。

函の透明部分からは表紙の箔押しが透けて見えるという独自の設計が施され、視覚的な楽しみも提供。特装版であるため重版が難しいとされており、早期に手に入れておくことを推奨します。

予言的内容と社会的な影響

興味深いのは、『アントカインド』がトランプをテーマにした内容が含まれている点です。2020年に刊行された原書は、2025年に実際に発生したトランプの復活や無茶な大統領令をまるで予言していたかのような内容が含まれています。暴走するトランプに対する懸念が盛り込まれ、現在の政治情勢と深くリンクしています。

この背景もあってか、今作は文学賞にもノミネートされ、高い評価を得ています。