音楽朗読劇『陰陽師』開幕!
2025年2月21日(金)から24日(月祝)まで、東京・よみうり大手町ホールにて、音楽朗読劇『陰陽師』が開催されています。 この物語は、1986年に出版されて以来、様々なメディアで展開されてきた夢枕獏による『陰陽師』シリーズを基にしています。
物語の背景と公演の内容
『陰陽師』は、平安時代を舞台にした伝奇小説で、天才陰陽師・安倍晴明と彼の忠実な相棒、雅楽家・源博雅の活躍を描います。物語は、彼らが直面する神秘的で不気味な事件を通じて、時にはコミカルに、時には真剣に進行し、観客を物語の世界に引き込んでいきます。
この朗読劇では、全4エピソードが90分間に凝縮され、二胡とピアノの生演奏がその雰囲気をさらに引き立てます。初演は2024年10月で、好評につき再演されることになった本作には、初日には蒼井翔太さんが安倍晴明役、鈴木達央さんが源博雅役として登場しました。
贅沢な舞台セットと演出
舞台上には、灯りを灯した雪洞や草木が溢れ、観客は物語の舞台である平安時代へとタイムスリップします。二胡の独特な音色と、しなやかなピアノの旋律が響く中で、舞台は一瞬にして幻想的な空間に変わります。観客は客電が消えた瞬間、物語の中心に引き込まれていきました。
台詞の掛け合いは、蒼井さんの柔らかな声が晴明の軽やさを引き立て、鈴木さんの力強い低音が博雅の真っすぐな性格を際立たせます。二人は、まるで互いに呼応するかのようにエネルギッシュに演じ、笑いも誘うシーンもあれば、重いテーマを扱ったシーンもあり、多彩な演技が光りました。
特に印象に残ったのは、4つ目のエピソード「露と答へて」です。このシーンでは、登場人物たちの心情が深く描かれ、観客の心にも残る感動的な瞬間が描かれました。物語の緊迫感とキャラクターの内面的なやり取りが、見る者の心に強く響きます。
心に残る音楽と演技
物語はもちろん、音楽の重要性も無視できません。二胡とピアノの生演奏が物語に緊張感や感動を与え、青や紫、赤を基調とした美しい照明はその場の雰囲気を盛り上げました。さらに、晴明と博雅以外の役割を演じたキャスト、田所陽向さん、井上宝さん、塙真奈美さんらの演技も印象的です。彼らは各エピソードで多様な役柄を見事に演じ分け、あやかしの世界をリアルに描き出しました。
公演情報
この音楽朗読劇『陰陽師』は、2025年2月21日から24日までの日程で、日替わりで異なるキャストが登場し、毎公演で新しい魅力が味わえます。観客は毎回異なる演技を楽しむことができるでしょう。
公演は全席指定で、チケットは9,000円(税込)。詳細は公式サイトや各チケットサイトにてご確認ください。どんなキャストが登場するのか、どのような作品に仕上がるのか、ぜひその違いを楽しみに劇場に足を運んでみてください。
今回の朗読劇『陰陽師』は、単なる朗読だけではなく、演技、音楽、そして美しい舞台美術が融合する贅沢な体験を提供するものです。この不思議な物語があなたをどのように魅了するのか、ぜひ自ら体験してみてください。