新潟・舞子スノーリゾートでのウィッシュ・バケーション
公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢をが毎年実施する「ウィッシュ・バケーション」。2026年の開催にあたる今年も、新潟県の舞子スノーリゾートにて、難病を抱えるお子さんとそのご家族を招待し、特別な体験を提供しました。このプログラムは、今年で9回目の開催となります。
旅の始まり
越後湯沢駅に集まったのは、東京から参加した廣瀬さん一家と茨城から参加した濱田さん一家の2家族です。新幹線で駅に到着すると、スタッフの笑顔に迎えられ、マイクロバスで舞子高原ホテルへ。バスの中ではご家族同士が初めての出会いを楽しみ、プログラムのスタート前から心温まる交流が始まりました。
ホテルでの盛大なお出迎えが、参加する家族の不安を和らげ、次第に新しい環境への期待感が高まります。旅行は「楽しむもの」として捉えられるべきですが、難病を抱えるお子さんにとってはさまざまな障壁があります。しかしこのプログラムは、地域全体の温かいサポートによって、そのようなハードルを取り除くことを目的としています。この瞬間から、家族は自信を持ち、新しい挑戦への一歩を踏み出すことができました。
ウェルカムパーティーの夜
初日の夜には、A5にいがた和牛や妻有蕎麦といった新潟の特産品をいただきながら、ウェルカムパーティーが開催されました。美味しい料理を皆で囲むことで、チーム舞子の皆さんとの距離も縮まりました。そして、夜には雪上車のパフォーマンスが待っていました。白銀のゲレンデで繰り広げられるその幻想的な光景に、家族の笑顔が輝きました。
スキーの魅力を体験
二日目、ついに待ちに待ったゲレンデでのスキー体験が始まりました。NPO法人ネージュのサポートのもと、難病を抱える子どもたちがデュアルスキーやスノーカートに挑戦します。デュアルスキーは、専門の「パイロット」が操作する特殊な装置で、常にサポートが必要なお子さんでも安全にスキーを楽しむことができます。
ご家族全員がスキーやスノーボードに興じ、その滑走回数は実に5往復以上。お子さんたちのスピードに家族も驚き、一丸となってその楽しさを味わいました。普段は側で支える役割の両親が、今日は子どもたちの勇ましい滑りに目を細め、忘れがたい光景となったことでしょう。
ゲレンデでは、久しぶりにスキーに挑むお父さんやお母さんも姿を見せ、家族の時間を共有しました。お子さんたちが力強く滑る背中を見つめる姿には、愛情が込められています。
午後の滑走後には、特製のドーナツカーが登場し、みんなで楽しい休憩タイムを過ごしました。昼食には、地元の食材をふんだんに使ったコース料理が提供されました。特選牛のサーロインステーキを自ら焼く体験は、家族みんなにとって特別な思い出となったことでしょう。
忘れられない感謝の瞬間
滑走の最後に、ネージュからお子さんたちに記念品が手渡されました。その際に贈られた言葉が、今回のプログラムの根底を表していました。「できないことがあるわけじゃない。できる術を知らないだけ。」この言葉に、参加者全員が共感し、互いに支え合う大切さを再確認しました。
困難を分かち合う9年間
ここまでの道のりを支えてきたのは、チーム舞子の皆さんです。舞子リゾートのスタッフは、自主的に家族が楽しい時間を過ごせるよう工夫し、特別な瞬間を演出しました。九年間の積み重ねが、地域の温かい支援を生み、難病を抱える家族にとっての有意義な体験を実現する素地を作ってきました。
3日間の物語の結末
旅の初めに始まった交流は、最後の湯沢中里スノーリゾートで、キッズパークでの楽しいアクティビティを通じて、家族全員にとって心温まる思い出をもたらしました。
締めくくりの際には、ネージュの皆さんが3日間の様子を映像にまとめ、参加した家族に手作りのアルバムが贈られました。さらに、濱田留伊くんからスタッフへの手書きのメッセージボードに、心温まる感謝が込められました。この瞬間は、感謝を受け取るだけでなく、返すことの重要性を教えてくれるものでした。
代表理事 大住 力からのメッセージ
難病の子どもたちとその家族に対する視点が重要であり、彼らの存在は「かわいそうな人たち」ではなく、命を本気で生きている「心の豊かな人々」です。この3日間の体験を通じて、全ての関わった人たちが新たな気づきを得たのです。プログラムは、参加者全員にとって新たな幕開けを意味します。次回の10回目の開催では、さらなる地域の協力を得て、さらなる文化の育成が期待されています。
大道を共に歩む家族、参加した皆さんに、心から感謝の意を表します。