映画『九月と七月の姉妹』密接すぎる姉妹の絆と悪夢の瞬間

映画『九月と七月の姉妹』が話題に

映画『九月と七月の姉妹』が、第77回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に正式出品され、注目を集めています。2025年9月5日より全国公開予定となる本作の本ポスターと幕間写真が解禁され、作品の独特な雰囲気を醸し出しています。

映画のプロットと登場人物

本作は、わずか10か月の違いで生まれた姉妹、セプテンバーとジュライの物語を描いています。二人は、互いに密接に結びつきながらも、一心同体で生活する日々を送っています。特に姉のセプテンバーは、妹のジュライを支配し、その関係はとてもいびつでありながらも、絶対的な絆で結ばれています。この姉妹は、オックスフォードの学校でのいじめを受け、母親のシーラと共にアイルランドの海辺にある長年放置された一族の家、セトルハウスへと引っ越すことになります。

新しい生活の中で、ジュライはセプテンバーとの関係が変に思えるようになり、その緊張感は命令ゲームを通じてさらに高まっていきます。兄弟の関係性の陰には、終わらない悪夢が影を落とすのです。

本ポスターとシーン写真

公開されたポスターは、姉妹が母親が自宅に設営した撮影スポットでカメラに目を向けるシーンを捉えています。お揃いのワンピースを身にまとい、前をじっと見つめる姿には、秘密のある歪んだ絆を感じさせます。その姿は、キャッチコピー「絡み合って、ほどけない」を体現しており、観る者に強烈な印象を与えるでしょう。

シーン写真も4点解禁され、常に近くにいる姉妹の姿が印象的に表現されています。生まれつき密接な関係を持つ彼女たちの視点や心情に寄り添うことができる内容となっています。

監督のメッセージ

アリアン・ラベド監督は、本作を「世界と向き合い成長しようともがく10代の少女たちの変容を描いた映画」と語り、観客に対して登場人物それぞれの“内なる論理”を理解することを呼びかけています。また、物語が進むにつれて、高校や家庭といった身近な現実から、自然や海へと移り変わる様子が、観客に新たな視点を提供すると言及しています。「違う視点から見たときに生じる緊張感」に興味があると述べ、主人公たちが直面する現実をいかに描くかに挑んでいます。

キャストとチーム

姉妹を演じるのは、カンヌの新星として評価されるパスカル・カンとミア・サリアです。彼女たちの演技が、物語に不穏な雰囲気を与え、物語の核心に迫る役割を果たしています。サウンドデザインには、『関心領域』でアカデミー賞を受賞したジョニー・バーンが参加しており、音の面でも物語を補強しています。

この映画では、「生まれか育ちか」といったテーマが自然に浮かび上がり、姉妹の複雑な関係や内面的な葛藤を映し出しています。