女性スポーツと企業の共創プランが描く未来
令和7年度さいたま市版SOIP(Sports Open Innovation Platform)では、スポーツと様々な産業との連携が新しいビジネスを生み出すための取り組みが始まりました。株式会社ザスモールシングスが主導し、さいたま市および一般社団法人さいたまスポーツコミッションと共同で実施されるこのプログラムでは、女性が直面する社会的な課題解決に向けた共創プランが採択されました。
アーリープロトタイピングに進む4つのプラン
2025年10月にキックオフキャンプが行われ、選ばれた企業とアスリートが1ヶ月間のアーリープロトタイピングに取り組むこととなりました。選定された4件のプランは以下の通りです。
テーマⅠ: 自分らしく健康に向き合うための取り組み
- - 共創アスリート: 尾池望(マラソン)、村上茉愛(体操)
- - 採択企業: 株式会社wagamama
- - 提案タイトル: カードゲームを活用した誰もが参加しやすい対話型生理セミナー
「キックオフでのやり取りを通じて得られたアイデアを大切にし、皆で前進していきたい」と株式会社wagamamaの代表が語ったように、このプランは多くの女性や子供たちに生理についての理解を深めることを目指しています。尾池選手は「正しい知識を得ることが大切」と感じており、村上選手もこの取り組みを通じて自身も学びたいと意気込んでいます。
テーマⅡ: 自由な活動を可能にする環境づくり
- - 共創アスリート: 大山加奈(バレーボール)、小野塚彩那(フリースタイルスキー)
- - 採択企業: 株式会社ダーツライブ
- - 提案タイトル: スポーツダーツ活用
ダーツライブの代表は「新しい可能性を共に創り出していきたい」と述べ、アスリートたちもこの機会を大切に、解決すべき社会課題と向き合うチャンスに感謝しています。
テーマⅢ: 固定観念にとらわれない社会をつくる取り組み
- - 共創アスリート: 筏井りさ(フットサル)、市橋有里(マラソン)
- - 採択企業: 株式会社SmileJapan
- - 提案タイトル: 産後の悩みを、一人の問題から社会の力へ。
SmileJapanの理念を取り入れ、アスリートたちと共に具体的な課題解決に向けて取り組む姿勢が示されています。筏井選手は「継続できるサービスを設計することの難しさを実感している」とし、市橋選手もアスリートの発信力を駆使していくことを誓います。
テーマⅣ: 女性の参画領域を拡げる取り組み
- - 共創アスリート・スポーツチーム: 小林円香(3x3バスケットボール)、戸田中央メディックス埼玉(ソフトボール)
- - 採択企業: 株式会社おしんドリーム
- - 提案タイトル: 女性ドローンチームによる教育・エンタメ・防災モデル
おしんドリームの代表は「実現可能なプロジェクトとして形にしていきたい」と語り、小林選手と戸田中央メディックスも女性アスリートの未来を広げる挑戦に意気込んでいます。
今後の展望
採択されたプランは約1ヶ月の試作・検証を経て、2025年12月の中間発表で成果が報告される予定です。この中間発表で選ばれたプランは、フルプロトタイピングに進むことが期待されています。さらに、2026年の成果報告会においては、事業化・社会実装への計画が発表され、全体としての進捗も確認されるでしょう。
さいたま市版SOIPの意義
「さいたま市版SOIP」は、女性アスリートと企業が協働し、社会課題に挑むことで新しいビジネスを共同創出する革新的なプログラムです。政令指定都市として初めて施行されるスポーツ振興条例に基づき、地域とスポーツの活用による新しい価値の創造を促進しています。
この取り組みが実を結ぶことで、さらなる地域活性化や、女性がより生き生きと活動できる社会の実現に貢献することが期待されます。