映画『歌舞伎役者 十三代目片岡仁左衛門』の魅力
超大作のドキュメンタリー映画
長編ドキュメンタリー映画『歌舞伎役者 十三代目片岡仁左衛門』は、全6巻で構成される、約10時間46分にも及ぶ映像作品です。この映画は、昭和後期から平成初期にかけて歌舞伎界で輝かしい足跡を残した名優、十三代目片岡仁左衛門の84歳から90歳にかけた姿を詳細に描いています。すべては、映画監督である羽田澄子氏の鋭い目線と情熱によって生み出されたもので、製作は自由工房が手掛けました。
映画館での希少な上映
この作品は長尺であるため、映画館での上映機会が限られていました。そして利用する媒体がDVDやオンライン配信ではなく、あくまでも映画館にこだわっているため、世代を超えた「伝説の作品」として語り継がれてきました。最後に全巻上映されたのは2018年に開催された「ジャポニスム2018」の公式企画としてのパリ上映まで遡ります。ようやく17年ぶりに、十三代目の三十三回忌と羽田澄子監督の生誕100年を記念して、国内の映画館で全6巻の上映が実現することが決定しました。
内容の多様性
このドキュメンタリーでは、『寿曽我対面』や『菅原伝授手習鑑』、さらには仁左衛門の最後の舞台となった『八陣守護城』など、彼の様々な舞台姿が映し出されます。これに加えて、豊富な芸談や稽古風景が収められており、観客は仁左衛門の一生を通じて真摯に芸を追求するその姿を目の当たりにすることができます。また、仁左衛門の芸に宿る品格が映像を通してじっくりと感じられ、歌舞伎ファンにはたまらない傑作となっています。
吉田修一氏の推薦
大ヒット中の映画『国宝』の原作を手掛けた作家、吉田修一氏も本作を観たことで影響を受けました。彼は羽田監督に感謝のメールを送り、映画の中で感じた臨場感や、目が不自由であった仁左衛門が見ていた美しい世界の姿について触れています。このドキュメンタリーは歌舞伎を題材にした作品に関心を持つ方々にとっても、「歌舞伎の世界のさらに奥へ」と誘う一作であり、その魅力を再認識させる内容になっています。
上映情報
この貴重なドキュメンタリー映画は、2026年5月16日から6月12日の間に、ポレポレ東中野にて上映されます。上映スケジュールは以下の通りです:
- - 5月16日〜5月22日:第1巻『若鮎の巻』(102分)/第2巻『人と芸の巻 上』(94分)
- - 5月23日〜5月29日:第3巻『人と芸の巻 中』(101分)/第4巻『人と芸の巻 下』(105分)
- - 5月30日〜6月5日:第5巻『孫右衛門の巻』(86分)/第6巻『登仙の巻』(158分)
- - 6月6日〜6月12日:上記全6作品を日替わり上映
上映劇場・料金
上映劇場はポレポレ東中野で、一般料金は1作品あたり2,000円です。学生やシニア料金、回数券も用意されており、利便性が高いのも魅力です。チケットは上映の3日前から劇場窓口及びオンラインで購入可能です。
日本の伝統芸能を深く知る機会として、ぜひこの映画を見逃さないようにしましょう。