高畑裕太主宰の劇団が介護をテーマに新作を上演！

劇団ハイワイヤが描く家族と向き合う物語

俳優の高畑裕太が主宰する劇団ハイワイヤは、介護問題をテーマにした新作公演『墓場までのかえりみち、ゆりかごからブランコへ』を7月24日に初日を迎えました。この作品は、高畑氏自身の介護従事者としての経験を基に、家族のコミュニケーションや死生観に焦点を当てた群像劇です。舞台上では、主人公とその周囲の人々がそれぞれの人生や価値観と向き合い、ともに変わっていく姿が描かれています。

作品の背景とテーマ

物語は東京都内の企業で働くタナカが、母親の認知症発症の知らせを受けることから始まります。現代社会で感じるさまざまなストレスと、家族の老いに向き合うタナカの心の葛藤を描くことで、社会の厳しい現実とそれに対する希望が交錯します。裕太主宰は、「老い」や「死」という避けて通れない現実を受け入れ、その中にある「希望」や「人間の尊さ」を表現しようとしています。

初日の公演は満席で終了し、観客からも高い評価を得ています。作品を通して、観客は自分自身や身近な人々の存在について再考し、普遍的な感情を共有することができるでしょう。

役者たちの思い

タナカ役の薄平広樹は、主人公が抱える痛みや喜びを通じて、観客に共感してもらえるのではと期待を寄せています。「介護を通じて、手放すことの意味を感じてほしい」とコメント。また、トシエ役の大竹このみは、認知症の母親役を演じるにあたり、役作りの過程で多くの思索を重ねたと語ります。そして、幻役の松尾望も、舞台の生々しい瞬間が観客の心に響くことを願っています。

観客へのメッセージ

高畑裕太主宰は、この作品が自身にとっても劇団にとっても重要なマイルストーンになることを強調し、「この作品を通して、観客の心に何かを残すことができたら幸い」と語ります。

公演は7月30日まで行われ、当日券も販売される予定です。ぜひ、劇場で心の深いところに響くストーリーを体験してください。今回の作品を観ることで、介護というテーマに対する理解が深まり、身近な人々との関係がより良いものになるかもしれません。観客の皆さんのご来場を心からお待ちしております。