冨永愛が伝える石川県の伝統工芸、加賀獅子頭
毎週水曜日の夜10時から放送される「冨永愛の伝統to未来~ニッポンの伝統文化を未来へ紡ぐ~」で、冨永愛が石川県白山市にある加賀獅子頭の工房「知田工房」を訪問しました。この工房は、獅子舞に用いる獅子頭を製作する専門企業で、石川県では唯一の存在です。
知田工房で生産される加賀獅子頭の特徴は、角があり、どの方向からでも目が合っているように見える「八方睨み」。この独特のデザインは、多くの人々に愛されています。工房では、二代目の知田清雲さんと三代目の息子である大芽さんが長年の技術を受け継ぎ、伝統を守っています。
獅子頭作りの過程
工房に入ると、様々な獅子頭がずらりと並んでいます。知田工房では、全国各地の500以上の獅子頭を製作・修理しており、その中には江戸時代の作品も含まれています。冨永愛が驚いたのは、獅子頭が一本の丸太から作られるという点です。最初に顔の正面を彫っていく作業を行い、木材は主に桐が使われます。ただし、最近では桐を扱う材木店が減少し、希少な素材になっているとのことです。
冨永愛自身も「荒彫り」作業を体験しました。湿った桐を使って彫るため、手際の良さが求められます。大芽さんによると、父・清雲さんの技術は非常に高く、習得には長い年月がかかります。冨永愛は、柔らかい桐を彫る感触に喜びを感じた一方、乾燥した状態の桐を彫った際はその難しさに驚きを隠せませんでした。
縁起物としての加賀獅子頭
知田工房では、加賀獅子頭を単なる獅子舞の道具としてだけでなく、魔除け・厄除けの守り神として広めるため、アクセサリーや玄関に飾る置き型獅子頭の製作も行っています。また、ミニチュア獅子頭の絵付け体験も人気です。清雲さんは、子どもたちにこの文化を伝えることの重要性を語り、教育の場でも獅子頭の存在を教えたいという思いを強調しました。冨永愛は、ミニチュアの絵付けに挑戦し、特に舌や鼻の色付けの難しさに苦労したようです。
入浴施設での獅子舞体験
知田工房で作られた加賀獅子頭を使った獅子舞は、加賀市にある温泉旅館「界 加賀」で毎日行われています。ここでは、ホテルのスタッフが保存会の方々から獅子舞を習い、披露しています。加賀獅子舞の特長は、長い棒を持つ「棒振り」という役割があり、悪霊を退散させるために獅子を倒す様子を演じることです。
さらに、棒振りにまつわる加賀藩の秘密があると言われており、これもまた興味深いポイントです。冨永愛も挑戦し、獅子の口を開けて音を出す作業に奮闘しました。その奮闘の様子も見逃すことができません。
この特集「冨永愛の伝統to未来 加賀獅子頭編」は、12月17日(水)夜10時からBS日テレで放送予定です。番組の公式SNSでは、撮影時のオフショットも公開されていますので、ぜひチェックしてみてください。