ENEOSが挑む次世代燃料の実証
ENEOS株式会社は、環境に優しいエネルギーの未来を見据え、エタノール20%混合ガソリンの開発実証を開始しました。このプロジェクトは、2025年に行われる「ENEOSスーパー耐久シリーズ」において推進されています。5月31日、静岡県の富士スピードウェイで行われた会見には、トヨタ自動車やSUBARU、マツダ、日産など、自動車メーカーの技術開発責任者が集まり、ENEOSの意図や展望について語り合いました。
低炭素ガソリンの背景とは
植物由来のエタノール(バイオエタノール)は、トウモロコシやサトウキビといった作物から得られるグルコース、さらに草本系植物や古紙などからも生産されています。これらの植物は成長過程で大気中のCO2を吸収するため、化石燃料と比較して炭素排出量が格段に低いのが特徴です。
ENEOSのエタノール混合ガソリンは、既存の化石燃料を基礎にバイオエタノールを20%混合したもので、環境意識が高まる中、自動車業界が次世代燃料として注目しています。また、2025年の第7次エネルギー基本計画でもこの技術への期待が寄せられ、官民が協力してその導入を進めることとなっています。
開発の実績と目指す未来
ENEOSは、長年の燃料関連技術の知見を活かしながら、エタノール20%混合ガソリンの品質向上や技術情報の収集・整備に取り組んでいます。これにより、車両メーカーや燃料供給者が共同して開発を進める環境を整えようとしています。このプロジェクトは特に、厳しいレース条件の中での実証が重要とされており、スーパー耐久シリーズ中に実施されます。
ENEOSは、共に挑戦する自動車メーカー5社(トヨタ、SUBARU、日産、マツダ、及びその他)と手を組んで、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、持続可能なエネルギー技術の発展を目指しています。過酷な耐久レースでのE20供給を通じて得たデータや経験は、さらなる燃料技術の向上に結びつくことでしょう。
ENEOSのビジョン
ENEOSグループは「今日のあたり前を支え、明日のあたり前をリードする」という理念のもと、エネルギーと素材の安定供給に注力し、カーボンニュートラル社会の実現を目指して進化し続けています。次世代燃料の開発はその一環であり、ENEOSは持続可能な社会に貢献するため、今後も様々なエネルギートランジションに対し積極的に取り組む姿勢を示しています。
この新しい燃料技術の実現は、持続可能な未来を実現するための第一歩と言えるでしょう。