日本の水資源管理を徹底強化するJWSの取り組みと未来

近年、日本では水に関するさまざまな問題が浮き彫りになります。特にインフラの老朽化や水道料金の高騰、さらには水源涵養林の荒廃といった課題は急務となっており、企業の連携が求められています。この背景のもと、Alliance for Water Stewardship（AWS）と5つの企業が手を組み、3月5日より「ジャパン・ウォータースチュワードシップ（JWS）」を発足しました。今回は、このJWSが目指す方向性や今後の展望に迫ります。

水問題の現状とJWSの立ち上げ

日本では、これまでの水関連の活動が十分に通じていないと感じる関係者が多く存在します。AWSの最高経営責任者であるエイドリアン・シム氏も、「日本にはウォータースチュードシップに熱心な企業が多いが、水リスクが高まっている今、対応策が急務である」と述べています。このような状況に対処するため、5社がタッグを組み、JWSを設立したのです。

JWSの主要目標は、「流域での責任ある水資源管理」を促進することです。具体的には、企業間のネットワーキングや行政機関との連携を重視し、流域やサプライチェーンにおける協働活動を可能にする環境作りを進めます。これにより、企業が水リスクに対応できるようになり、より大きな社会的な影響をもたらすことが期待されています。

JWSの取り組み内容

JWSの構成メンバーは、MS&ADインシュアランスグループ、栗田工業、サントリーホールディングス、日本コカ・コーラ、八千代エンジニアリングといった代表的な企業です。それぞれの企業は独自の取り組みを進めており、その努力は相互に補完しあう形で進行しています。

特に、サントリーホールディングスは日本の企業として初めてAWS認証を取得した実績を持つ企業であり、関係する工場が最高ランクの「Platinum」を取得しています。その活動は広く評価されており、他の企業にも浸透していくことを目指しています。

日本コカ・コーラは、世界19か所でAWS認証を取得し、流域管理に力を入れ、ステークホルダーとの協働を進めています。さらに、栗田工業は国際的なコレクティブアクションに参加し、持続可能な水資源管理に取り組んでいます。こうして、各社が持つ知見や技術を活用し、JWSは日本全体にウォータースチュードシップの意識を広めることを目指しています。

未来への展望

JWSの目指す方向性は、単なる水資源の管理だけでなく、社会全体の持続可能性を視野に入れた包括的なアプローチです。企業が協力することにより、より強固な水資源インフラが築かれることになれば、水に関する問題解決が実現できます。

AWSは2025年を見据え、日本をウォータースチュードシップ推進の戦略国に位置づけ、国際的な基準を日本に持ち込み、地域の関与を強化していく計画です。この取り組みが成功すれば、日本の水資源は持続的に利用されることが確実となり、未来の世代に繋げられることでしょう。

JWSが日本における水資源管理の領域をどのように変えていくのか、我々はその動向から目が離せません。