MIDI規格の発展を支えたヤマハ元従業員が生涯功労賞受賞

ヤマハが誇るMIDI規格の功績

米国のMIDI Associationが1月23日、ヤマハ株式会社の元従業員である平野勝彦氏と西元哲夫氏に『MIDI生涯功労賞』を授与したことを発表しました。この賞は、MIDI規格の開発とその発展に貢献した方々に贈られるものです。

MIDI規格とは

MIDI（Musical Instrument Digital Interface）は、電子楽器やコンピュータ間で音楽の演奏データをやり取りするための統一規格であり、楽器メーカーの枠を超えて多くの機器と連携することができる重要な技術です。この規格の制定により、音楽制作の可能性が飛躍的に拡がり、現代の音楽業界に多大な影響を与えました。

平野氏と西元氏の業績

平野氏は、MIDI規格の制定において日米の楽器メーカーチームの円滑なコミュニケーションを監督し、規格の発展に寄与しました。そのリーダーシップが評価されています。一方、西元氏はMIDIの技術的な検討と仕様の提案に関する重要な役割を果たしました。

このように、両氏の貢献により、MIDIの正式な運用に関する協議会も立ち上がり、平野氏はその委員長としてMIDIの普及・発展に尽力しました。特に、1983年に発売されたMIDI対応デジタルシンセサイザー『DX7』は、彼らの技術が結集された成果の一つです。

表彰式の詳細

表彰式はカリフォルニア州アナハイムで行われた「2025 NAMM Show」にて、MIDI Associationブースで行われました。ヤマハの電子楽器事業部の三浦大輔が代表として同賞を受け取り、平野氏と西元氏の功績が改めて評価されました。

ヤマハのコメント

ヤマハ株式会社の電子楽器事業部長である阿部征治は、次のようにコメントしています。「演奏情報の規格化は電子楽器業界全体の発展に欠かせない要素であり、平野氏と西元氏の功績が評価されたことを大変誇りに思います。今後も、MIDIを通じて多くのお客様の音楽活動を支援し続けます。」

今後の展望

MIDI規格は現在でも多くの楽器や音楽ソフトウェアに採用されており、その技術は進化を続けています。ヤマハは、これからもMIDIの普及に注力し、音楽制作を楽しむすべての人々に貢献していくことでしょう。

このたびの受賞は、平野氏と西元氏の素晴らしい業績を再確認する貴重な機会となりました。音楽とテクノロジーの融合が進む中、彼らの遺産は今後も新たな才能を育む基盤となるでしょう。