2025年7月25日(金)、渋谷のPARCO劇場にて、舞台演出の巨匠ピーター・ブルックによる傑作『マハーバーラタ』の8K修復版が、世界初のワールドプレミア上映会として行われる。この特別な上映では、超高精細な8K映像と迫力の音響を目の前で体験できる貴重な機会だ。
ピーター・ブルック(1925–2022)は、現代演劇に多大な影響を与えた「舞台の魔術師」として知られ、彼の代表作である『マハーバーラタ』は1985年のアヴィニョン国際演劇祭で初演された。この作品は、古代インドの叙事詩を基にし、9時間にも及ぶ壮大な野外舞台劇として繰り広げられた。前夜から始まり、夜明けとともにクライマックスを迎えるという演出は、演劇界での「伝説」となり、1988年には日本でも上演された。1989年には173分の映像版が制作され、これもまた世界的に評価されている。
今回の8K修復プロジェクトには、サイモン・ブルック氏が携わっており、彼は父ピーター・ブルックの遺産を現代に届けようと、5年の歳月をかけて取り組んだ。昨年の第81回ベネチア国際映画祭で4K上映が行われた際には、高い評価を受け、今回の日本での8K上映はその先駆けとなるものである。これに合わせ、新訳の日本語字幕も作成され、さらに特別ゲストとしてサイモン・ブルック氏と音楽監督の土取利行氏によるプレトークイベントも行われるとのこと。
8Kは、現行のハイビジョンと比べて約16倍の画素数を持ち、その映像クオリティは圧倒的だ。PARCO劇場には、この特別上映に合わせて8K対応のプロジェクターとスクリーンが設置され、一般的な映画館では体験できない映像美を存分に楽しむことができる。
『マハーバーラタ』は、「戦争」、「倫理」、「権力」など、現代社会とも関連性のあるテーマを扱っており、この重要なメッセージを現代に生きる私たちに届ける良い機会となる。5年の歳月をかけて行われたこの修復プロジェクトでは、オリジナルフィルムを元に、特殊なソフトでの処理が行われ、音声もリマスタリングされている。これにより、観客はまるでその場にいるかのような臨場感を味わうことができるだろう。
上演時間は173分で途中休憩なし。一夜限りの特別な上映を逃さないために、早めのチケット購入が推奨されており、チケットは各種ウェブサイトから入手可能。今回のイベントは、ピーター・ブルックの新たなプロジェクトを劇場で体験する貴重な機会であり、特にこの特別な体験をお見逃しなく。
また、入場料は3,000円で全席指定。持ち帰りにあたっては、さらなる詳細な注意事項もあるため、参加を希望される方は、事前に確認してほしい。現代演劇の巨匠による大作を、この貴重な8K上映でぜひ味わっていただきたい。