特殊詐欺防止のための誓い
2025年12月11日、和歌山県橋本市において、市制20周年を記念したイベント「みんなでとめよう!!国際電話~みんとめ大作戦in橋本~」が開催され、特別ゲストとして警察庁の特別防犯支援官、伍代夏子氏が参加しました。このイベントは、特殊詐欺被害の現状とそれに対する対策を広報する目的で企画され、地域住民への注意喚起が行われました。
特殊詐欺の現状とは?
伍代支援官はイベントの冒頭で、近年和歌山県内で続出している特殊詐欺の被害状況について報告しました。特にオレオレ詐欺が増加していることが懸念されています。「オレオレ詐欺はすでに知られており、対策を講じることで防げる手口になっています。私たち一人ひとりが警戒心を持つことが必要です」と力をこめて呼びかけました。
さらに、最近増加しているニセ警察詐欺についても触れました。これは、海外から発信される国際電話番号を使い、本物の警察官を装って金銭を詐取する手法です。伍代支援官は「国際電話の利用を止めることが、効果的な防止策の一つです。通知を申し込むことで、発着信を無料で停止できます」と提案しました。
本物の警察官との違い
最近では、詐欺師がSNSやビデオ通話を通じて、ニセの逮捕状や警察手帳を見せて、被害者の不安を煽るケースも増えています。しかし伍代支援官は、「本物の警察官がSNSで逮捕状や警察手帳を見せることはない。このことをしっかりと認識してほしい」と警告しました。特に高齢者層を狙った詐欺が増えているため、家族が注意を払うことが重要です。
家族を守るための意識のシフト
このイベントでは、参加者との対話コーナーも設けられ、実際に詐欺被害に対する意識を高めるための質疑応答が行われました。「詐欺被害を自分事として捉えるにはどうしたらよいでしょう?」との質問には、「詐欺電話はいつ来るかわからないことをしっかりと意識することが重要です。『自分は大丈夫』という考えが、一番危険です」と伍代支援官は述べました。
また、特に家族の財産を守る意識を持つことも呼びかけました。遠く離れた親戚や高齢の家族に対しても、注意喚起を続けることが、詐欺被害を減らすカギになると強調しました。「自分だけの防犯ではなく、身近な人たちを守るために一緒に考えて、行動していきましょう」とまとめました。
ソーシャルメディアとの連携
「ストップ・オレオレ詐欺47〜家族の絆作戦~」というプロジェクトチーム、通称SOS47が、全国各地で協力し、特殊詐欺の手口とその対策を多くの人に伝えていることも紹介されました。2018年以降、各警察と連携して広報啓発活動を行っているこのチームは、地域の防犯意識を高めるための重要な役割を果たしています。地域住民が一体となって、防犯対策に取り組むことが、詐欺防止の大きな力となるのです。
これからの対策と心構え
特殊詐欺の被害は誰にでも起こり得るものであり、私たち一人ひとりがその危険性を理解し、日々の生活の中で意識を高めていくことが求められます。これからも、地域のイベントや講座を通じて、正しい情報を得ることが重要です。このような啓発活動を通じて、家族や周囲の人々を守るために行動を起こすことが、共に安全な社会を築く第一歩となるでしょう。