音楽文化の振興を称える第12回JASRAC音楽文化賞の受賞者発表
2023年11月18日、日本音楽著作権協会(JASRAC)は第12回JASRAC音楽文化賞を発表しました。この賞は、音楽文化の発展に寄与し、数字には表れない地道な活動に焦点を当てたものです。受賞者には、ぐらもくらぶ、一般社団法人HOPEプロジェクト、株式会社矢川ピアノ工房、北海道農民管弦楽団の4団体が選ばれました。
受賞アーティストとその業績
ぐらもくらぶ
ぐらもくらぶは、日本のポピュラー音楽の歴史を探求するレコードレーベルで、昭和初期の音源を復刻する事業に注力しています。アーカイブ・プロデューサーである保利透氏の主導によって、過去の貴重な音源がCDとして蘇り、多くの音楽ファンに愛されています。彼らの取り組みは、単に音楽を再現するだけでなく、历史的な文化遺産を伝える役割も果たしています。特に、浅草六区や大大阪にまつわる音楽を通じて、明治・大正・昭和の文化的背景を感じさせる貴重な資料を提供しています。2012年から独自に50作以上のCDをリリースし、音楽の多様な側面に光を当てる業績が認められました。
一般社団法人HOPEプロジェクト
次に、一般社団法人HOPEプロジェクトは、広島と長崎で「被爆ピアノ」を修復し、演奏を通じて平和のメッセージを広めています。この取り組みは、戦争の悲惨さを忘れさせない大切な活動として評価されています。河本明子さんが使用していた被爆ピアノは、今も多くの人々に愛され、演奏され続けています。このピアノを通じて、音楽は人々の心に平和をもたらす力を持つことを証明し、次世代へその想いを繋げています。
株式会社矢川ピアノ工房
さらに、矢川ピアノ工房は、国内で古いピアノの再生や寄付を行い、広島の被爆ピアノを地域に普及させる活動にも積極的です。2001年から始まったコンサートは、全国に「被爆ピアノ」を送り出し、3,500回以上の演奏を重ねています。また、2021年には「被爆ピアノ資料館」を開館し、平和学習の場としての役割も果たしています。
北海道農民管弦楽団
最後に、北海道農民管弦楽団は、地域の農家や関係者が集まって結成されたアマチュアオーケストラで、宮沢賢治の理念を基にした「音楽で心を耕す」活動を展開しています。音楽を通じて地域文化を振興し、農村と都市の架け橋となる努力が評価されています。様々な公演を通して、地域の人々に音楽の楽しさや農業の大切さを伝える一翼を担っています。
JASRAC音楽文化賞の意義
このJASRAC音楽文化賞は、音楽文化の発展に寄与する個人や団体の活動を広く称賛し、そのエネルギーを未来に繋げることを目的としています。選考は全国好評な報道機関からの推薦を基にした選考委員会の厳正な審査によって行われました。音楽の多様な可能性を信じ、より良い未来を築く活動を今後も注目していきたいですね。JASRACは引き続き、音楽繁栄のための取り組みを支援し続けます。