音楽朗読劇「ひまわりの歌」が東京公演を迎え
2025年1月30日、東京有楽町朝日ホールにて音楽朗読劇「ひまわりの歌〜ヘブンズ・レコードからの景色〜」が開幕します。この作品は、Aぇ! groupの佐野晶哉が主演を務め、震災の記憶を受け継ぎながら未来への希望を描く内容となっています。
公演の背景
本作は、岡本貴也によるオリジナル作品で、過去に上演された「ヘブンズ・レコード」を改題・再構成したもので、前回の上演から数年が経過しています。2025年は阪神淡路大震災から30年が経過する節目の年となるため、震災の記憶を再び呼び起こし、希望のメッセージを伝えるためにこの作品が選ばれました。
物語の舞台は、2000年の夏、震災から5年後の神戸。不安定な時代に生きる人々の姿を4つのオムニバス的なストーリーで描いており、音楽や映像を織り交ぜながら、観る者の心に響くような内容となっています。
初日の公演内容
フォトコールでは、物語のオープニングから第1話が披露されました。中古レコード店『ヘブンズ・レコード』を舞台に、音楽に精通した店長と、ミュージシャンを目指すアルバイトのタケルが登場します。その中に、震災で幼い息子を失った父親が現れ、家族の悲しみと再生の道を模索する姿が描かれました。
父親は辛い現実に向き合おうと奮闘しながらも、家族との間に距離ができてしまうという複雑な心情が浮き彫りにされ、観衆の心を打つストーリーとなっていました。
佐野晶哉の想い
佐野は神戸公演を振り返り、地元の方々からの想いを受け止めながら公演を終えたことを述懐。「東京公演に向けて覚悟を持って挑みたいと感じています」と力強く語り、それぞれの公演が特別であることを強調しました。例えば、初日には多くの観客が「30年」という時間を噛み締め、涙を流す方も多かったと報告しています。震災を経験したことのない観客がこの作品を通じて震災のことを理解しようとしている姿に、特別な感慨を抱いたと述べました。
共演者の思い出
また、共演者の貴城けいや波岡一喜もそれぞれ震災当時の経験を語り、作品の意義を改めて再認識する機会になっていると語っています。特に波岡は、「震災の影響を当事者として感じており、観客との思いを共有できることが感じられた舞台でした」と語り、涙を流して観る方々の姿に触れたそうです。
東京公演への期待
神戸公演を経て、出演者たちは絆を深め、より良いパフォーマンスを目指しています。佐野が「震災について知識が無かったが、この舞台を通じて多くを学んだ」と述べたように、彼自身も大きな成長を遂げた様子。東京公演ではさらに多くの人々に希望と感動を届けたいと強調しました。
この舞台が、観客ひとりひとりにとっても何かの架け橋となることを願っています。公演は2025年2月8日まで、東京有楽町朝日ホールにて開催される予定です。ぜひ、その迫力ある演技と心温まるストーリーを体験してみてはいかがでしょうか。